線画だけの絵でも3D化はできます。ただし色なしの線画を入れると、3Dの色はAIが決めることになり、自分のイメージと違う色になることがあります。キャラクターの色を自分で決めたいなら、ベタの下塗りだけでも色を付けてから入れるのが確実です。
この記事では、色なしの線画を入れたときに何が起きるか、色を自分で決めたいときの下塗りの手順、3D化に向く線画の条件、ラフから3Dモデルまでの手順を順に整理します。線の質感をどこまで残せるかは、別の記事で詳しく扱っているので、後半の「線の質感はどこまで残る?」の節で要点だけ触れます。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。実在の人物・動物・物・風景を撮った写真や、写真のように見える画像は3Dにできません。
線画だけで3D化できる?
できます。紙に描いた線画を撮影・スキャンした画像も、デジタルで描いた線画も入れられます。ただし、線画には色と陰影の情報が無いので、色はAIが決め、立体の形も線だけを手がかりに推定することになります。色のある絵より結果がぶれやすいことを前提に使います。
Figmeeで使えるのは、紙に描いた絵(スマートフォンで撮影した画像やスキャンした画像を含む)と、デジタルで描いたイラスト(アニメ調・マンガ調を含む)です。形式はPNG・JPEG・WebPで、1枚20MBまでアップロードできます。白黒のインク画のままでもかまいません。
立体の推定がぶれやすい理由は、手がかりの少なさです。画像から3Dを作る研究では、手描きのように平坦に塗られた画像は立体感の手がかりが乏しく、多くの手法がもっともらしい3Dを作るのに苦労すると報告されています(出典:Art3D: Training-Free 3D Generation from Flat-Colored Illustration、2025年4月公開・2026年11月7日に確認)。線画は塗りの面さえ無いぶん、手がかりはさらに少ないと考えられます。
イラストを3Dにする方法の全体像と、3D化に向く絵・苦手な絵はイラストを3D化する方法【2026年版】にまとめています。
色なしの線画を入れると何が起きる?
フィギュア風画像を作る段階で、AIが色を決めます。3Dモデルはそのフィギュア風画像をもとに作るので、3Dの色も、AIが決めた色をもとにしたものになります。付く色や濃さは生成のたびに変わり、思っていたより薄い色や、キャラクターの設定と違う色になることも考えられます。
Figmeeは「イラスト→フィギュア風画像(3D画像)→3Dモデル」の2段階で作ります。画像を作るときの指示文(プロンプト)はFigmeeが自動で作り、利用者が書き換える画面はありません。つまり「髪は青、服は赤」と文章で伝える方法は無く、色を伝える手段は絵に塗ることだけです。
線そのものは、3Dでは形ではなく表面の色として残ります。色なしの線画では、キャラクターらしさを伝えているのがほぼ線だけなので、線がつぶれたり途切れたりすると、そのぶん元の絵との違いが目立ちやすいと考えられます。
線画の状態ごとに、起きやすいことと、入れる前にしておくとよいことをまとめます。
| 線画の状態 | 起きやすいこと | 勧める前処理 |
|---|---|---|
| 鉛筆のラフ(薄い線・線が重なる) | 線が拾われにくく、輪郭や形の読み取りが不安定になりやすい | 主線を1本にまとめて、濃く清書した版を用意する |
| ペン入れした線画(色なし) | 形は読み取りやすくなるが、色はAIが決め、毎回変わる | 色を決めたいなら下塗りをする |
| 線画+ベタの下塗り | 自分で決めた色が伝わる。立体の手がかりはまだ少なめ | 光の向きを決めて影を1段足すと、さらに安定する |
| 線画+塗り+影 | 色と立体の手がかりがそろう | そのまま入れてよい |
色を自分で決めたいときはどうする?
線画とは別のレイヤーに、肌・髪・服などのベタの色を置いてから入れます。 グラデーションや細かい塗りは要らず、パーツごとに1色ずつ置くだけでも、AIに色を伝えられます。紙の絵なら、線画をコピーしてマーカーや色鉛筆で塗り、その紙を撮影・スキャンします。
デジタルでは、塗りつぶしツールを使うと手早く下塗りできます。CLIP STUDIO PAINTの公式ガイドは、塗りつぶしツールについて「キャンバスの線で囲まれた範囲や同じ色の範囲を塗りつぶせます」と説明し、設定を変えると「隙間を閉じて塗りつぶしたりできます」としています(出典:CLIP STUDIO PAINTのユーザーガイド「塗りつぶしツール」、2026年11月7日に確認)。輪郭が閉じた線画ほど、この下塗りが速く済みます。
色を後から変えたい場合の方法もあります。
- フィギュア風画像の段階で作り直す:色が気に入らなければ、3Dモデルに進む前に下塗りを足した絵で作り直します。画像は品質に応じて1〜3トークン、3Dモデルは5トークンなので、画像の段階で直すほうが少ないトークンで済みます
- 3Dモデルに直接塗る:Figmeeには、できた3Dモデルをブラウザ上で回しながら塗れる「3Dモデル塗り絵」があります(サブスク会員向けの機能)。塗った状態は、元のモデルを残したまま別バージョンとして保存されます
- 3Dソフトでテクスチャを描き直す:GLBをBlenderなどに読み込めば、表面の色の画像(テクスチャ)を描き直せます
3D化に向く線画の条件は?
線が濃くはっきりしていること、輪郭が閉じていること、キャラクター1人の全身が素立ちで入っていることの3つが基本です。背景や斜線の陰影がキャラクターに重なっていないことも大切です。どれも、AIが線から形を読み取るための条件です。
- 線が濃く、1本にまとまっている:鉛筆のラフのように薄い線や何本も重ねた線は、どの線が輪郭なのかを読み取りにくくします。ペン入れした版か、主線を1本ずつ濃くなぞった版を用意します
- 輪郭が閉じていて、背景と分かれている:輪郭に切れ目があると、キャラクターと背景の境目が読み取りにくくなります。輪郭が閉じていれば、下塗りもしやすくなります
- 1人の全身が、素立ちで入っている:正面か正面寄りで、腕が体に大きく重なっていない構図が向いています。顔のアップだけの絵や、体が枠で切れた絵は避けます
- 背景・トーン・斜線が重なっていない:線画では、背景の線や斜線の陰影もキャラクターの線と同じ黒い線なので、どこまでがキャラクターかの境目が分かりにくくなります。マンガの1コマから使うときは、吹き出しやトーンが重ならない部分を切り出します
- 細い線と解像度に気をつける:髪の毛1本のような極端に細い線と、解像度の低い画像がどう扱われるかは、手描きの線を活かしたまま3Dにする方法で説明しています
2〜3頭身のちびキャラを線画から3Dにするときに崩れやすい所は、ちびキャラを3D化するコツにまとめています。Inktoberのように線画で描きためた絵から1枚を選ぶときの見方は、Inktober 2026のお題一覧とルールの「3Dで見せる1枚の選び方」でも整理しています。
ラフから3Dまでの手順は?
線を整える→必要なら下塗りする→フィギュア風画像で色と形を確かめる→3Dモデルを作って回す、の4段階です。下塗りを含めて30分〜1時間ほどが目安です。色が気に入らないときは、3Dモデルに進む前の画像の段階で直します。
- 線を整える(15〜30分):ラフなら主線をなぞって清書し、輪郭の切れ目を閉じます。紙の絵は、明るい場所で真上から撮影するか、スキャンします
- 下塗りする(10〜30分・任意):色を自分で決めたいなら、パーツごとにベタの色を置きます。光の向きを決めて影を1段足すと、立体の手がかりが増えます
- フィギュア風画像で色と形を確かめる(2〜3分):絵をアップロードし、品質(「標準」は1トークン、「Pro」は2トークン、「Max」は3トークン)を選んで「3D画像を生成」を押します。AIが付けた色と、顔・髪・持ち物がイメージどおりかを見て、違えば下塗りを足すなど絵を直してから作り直します
- 3Dモデルを作って回す(数分):「3Dモデルを生成」を押すと3Dモデルができ、ブラウザ上で360°回して確かめられます(5トークン。最初の1体はアカウントにつき無料)。髪の束やアンテナのように線で描いた細い部分が途切れていないかを見ます
新しく登録すると無料トークンが5つ付き(有効期限は登録から3か月、同じメールアドレスでは最初の登録のときだけ)、足りなくなったら5トークンを550円で買い足せます。生成が失敗した場合、使ったトークンは自動で戻ります。できた3Dモデルは、トークンを使わずにGLB / 3MFで保存でき、回転動画も書き出せます。
線の質感はどこまで残る?
線は3Dの表面の色として残りますが、細い線や筆致の揺らぎは、元の絵より均されやすくなります。線の勢いが作品の核になっている絵ほど、立体化で失うものが多くなります。線を残すためにできることは、描く段階の工夫(線を濃く、強弱をつけ、影を入れる)が中心です。
線が3Dのどこに保存されるのか、手描きの質感を残すために描く段階・見せる段階でできること、どうしても残らないものは、手描きの線を活かしたまま3Dにする方法で詳しく解説しています。この記事は「色なしの線画を入れたら何が起きるか」に絞っているので、線の質感を重視する方はあわせて読んでください。影を1段入れる具体的な手順はイラストに立体感を出す方法にまとめています。
よくある質問
Q. 色を文章で指定することはできますか? A. できません。フィギュア風画像を作るときの指示文はFigmeeが自動で作り、利用者が書き換える画面はありません。色を決めたいときは、絵に色を塗ってから入れてください。
Q. 白黒のマンガのキャラクターでも3Dにできますか? A. マンガ調のイラストも対象です。ただし色はAIが決めるので、色を決めたいなら下塗りをします。コマから切り出すときは、キャラクター1人の全身が入り、背景・トーン・吹き出しが重ならない部分を選んでください。使えるのは、自分で描いた絵や、権利を持つ人から使う許可を得ている絵です。
Q. 線画のまま3Dにして、後から色を塗れますか? A. 塗れます。サブスク会員向けの「3Dモデル塗り絵」で、ブラウザ上で3Dモデルを回しながら色を塗り、別バージョンとして保存できます。GLBをBlenderなどに読み込んで、テクスチャを描き直す方法もあります。
まとめ
線画だけの絵も3D化できますが、色なしの線画では色をAIが決め、形も線だけを手がかりに推定することになります。キャラクターの色を自分で決めたいなら、パーツごとにベタの色を置いてから入れるのが確実です。
3D化に向くのは、線が濃くはっきりしていて、輪郭が閉じ、1人の全身が素立ちで入った線画です。色や形が違うときは、3Dモデルに進む前のフィギュア風画像の段階で直すと、少ないトークンで作り直せます。




