デッサン人形の代わりに、自分のキャラの絵から作った3Dモデルを使うと、頭身・髪型・服・小物まで自分のキャラのままの形を、見たい角度に回して確かめられます。Figmeeなら正面寄りの絵1枚から3Dモデルを作れ(アカウントにつき初回1体無料、2体目から5トークン)、ブラウザで上下左右に回して、見下ろす角度や見上げる角度でも止められます。一方で、3Dモデルには骨組みが入っていないためポーズは元の絵のままで、新しいポーズを考えるには、関節を曲げられるデッサン人形やポーズアプリが向いています。
この記事では、デッサン人形で足りないところ、自分のキャラの3Dを作って角度を確かめる手順(時間の目安つき)、光の当たり方の確かめ方、ポーズを変えたいときの考え方、2つの道具の使い分けを順に整理します。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。写真や写真のように見える画像は3Dにできません。
デッサン人形で足りないのは何?
デッサン人形で足りないのは、自分のキャラの形が入っていないことです。体の構造やポーズは分かりますが、体型は標準のままで、髪型・服・小物はありません。
デッサン人形は、人間の関節と同じように動く関節を持つ人形で、人のモデルと違って長い時間同じポーズを取らせておけるため、人物を描くときのポーズの参考に使われます(Wikipedia「デッサン人形」)。ペイントソフトに入っている3Dのデッサン人形は、もう一歩進んでいます。たとえばCLIP STUDIO PAINTの公式の機能紹介では、3Dデッサン人形の体型や頭身を変えられ、ポーズを付けて下絵に使えると説明されています(CLIP STUDIO PAINT「主な機能」)。それでも、自分のキャラの前髪の重なりや後ろ髪の量、袖や裾の形までは入っていません。
自分のキャラを描くときに迷いやすいのは、次のような点です。
- 斜め後ろから見たとき、後ろ髪がどこまで見えるか
- 見下ろしたとき、前髪と頭のてっぺんの髪がどう重なるか
- 見上げたとき、あごの下や袖の内側がどう見えるか
- 頭身の低いキャラで、腕や脚がどこに隠れるか
関節の曲がり方や重心はデッサン人形で確かめられますが、こうした「そのキャラだけの形」は、人形では確かめられません。
自分のキャラの3Dは何が違う?
自分の描いた絵から作る3Dモデルは、頭身・髪型・服・小物の形が最初から入っているのが違いです。見たい角度に回すだけで、そのキャラをその角度から見たときの重なりのアタリが取れます。代わりに、ポーズは元の絵のまま固定で、絵に描かれていない側はAIが補った形です。
Figmeeの作品の画面にあるビューアでは、次の操作ができます。
- ドラッグで360°回す。左右だけでなく上下にも回せるので、真上に近い見下ろしの角度や、足もとからの見上げの角度でも止められる
- マウスのホイールや2本指のピンチで寄る・離れる。顔のアップまで寄れる
- 右下のボタンで自動回転を始める・止める
- 明るさのスライダーで、全体の明るさを変える
3つの道具を比べると、次のとおりです。
| 比べる点 | デッサン人形(木製など) | 3Dのデッサン人形・ポーズアプリ | 自分のキャラの3D(Figmee) |
|---|---|---|---|
| 自分のキャラの形 | 入っていない(標準の体) | 体型や頭身を変えられるものがある。髪型・服は入っていない | 頭身・髪型・服・小物が入っている |
| ポーズ | 関節を曲げて変えられる | 画面で変えられる | 変えられない(元の絵のまま) |
| 角度 | 人形の向きか、見る位置を変える | 画面で回せる | 画面で上下左右に回せる |
| 光 | 部屋の照明を動かす | ソフトの機能による | Figmeeでは全体の明るさだけ。光の向きはBlenderで |
| 費用の考え方 | 人形を一度買う | ソフト・アプリによる | 1体ごと。初回1体無料、2体目から5トークン |
| 向く場面 | 新しいポーズの体の構造を考える | ポーズと角度を同時に考える | 決まったキャラを、いろいろな角度で何枚も描く |
自分のキャラの3Dを作って、角度を確かめる手順は?
正面寄りの全身の絵を1枚選び、フィギュア風画像、3Dモデルの順に作って、ビューアで描きたい角度を探し、スクリーンショットを下敷きにします。絵を選んでから最初の角度の資料ができるまで、目安は20〜30分ほどです。専用ソフトのインストールは要らず、パソコンでもスマートフォンでもブラウザで進められます。
Step 1:3Dにする絵を1枚選ぶ(目安5分)
正面か、少し斜めを向いた全身の絵が向いています。キャラは1人だけ、腕が体から少し離れていて、背景は白か単色だと、形が読み取られやすくなります。描くたびに髪型や服が少しずつ変わっているキャラなら、いまの設定にいちばん近い1枚を選びます。資料の形は、この1枚で決まるためです。
紙に描いた絵は、スマートフォンで撮影した画像かスキャンした画像にすれば使えます。形式はPNG・JPEG・WebPで、1枚20MBまでです。実在の人物・動物・物・風景を撮った写真や、写真のように見える画像は、判定で生成が止まり、使ったトークンは自動で戻ります。絵の選び方をもっと詳しく知りたいときは、イラストを3D化する方法の完全ガイドを参考にしてください。
Step 2:フィギュア風画像を作り、顔と服を確かめる(目安2〜3分)
絵をアップロードし、品質を「標準」「Pro」「Max」から選んで生成します。標準は1トークン、Proは2トークン、Maxは3トークンで、登録特典の無料トークン5つ(登録から3か月有効)でも試せます。
できたフィギュア風画像を見て、顔・髪型・服の色と形が自分のキャラのままかを確かめます。違っていれば、この段階で作り直します。3Dモデルはこの画像をもとに作られるので、気になる点は3Dにする前に直すほうが、トークンを無駄にしません。
Step 3:3Dモデルを作る(目安数分)
画像に納得したら、3Dモデルを作ります。アカウントにつき初回1体は無料で、2体目からは5トークンです(5トークンは550円)。生成に失敗したときは、使ったトークンは自動で戻ります。できた3Dモデルは作品として残るので、あとからいつでも開いて回せます。
Step 4:ビューアで描きたい角度を探す(目安5〜10分)
作品の画面で3Dモデルをドラッグして回し、描きたい角度を探します。次の順に見ていくと、そのキャラの形の癖をひととおりつかめます。
- 真横:前髪と後ろ髪の厚み、あごから首へのライン
- 斜め後ろ:後ろ髪がどこまで見えるか、肩と背中の飾り
- 真後ろ:後頭部の髪の流れ、背中側の服
- 見下ろす角度(俯瞰):頭のてっぺんと前髪の重なり、肩の出方
- 見上げる角度(あおり):あごの下、袖や裾の内側
角度を探している間は、自動回転を止めておきます。顔だけを描くなら、ホイールやピンチで顔のアップまで寄ってから角度を合わせます。髪や服が暗い色で形が見えにくいときは、明るさのスライダーで明るくします。
Step 5:スクリーンショットを撮って下敷きにする(目安5分〜)
描きたい角度で画面のスクリーンショットを撮り、ペイントソフトに読み込みます。使い方は2つあります。
- 下敷きにする:不透明度を下げたレイヤーに置き、頭身や重なりのアタリだけを取る
- 横に並べる:キャンバスの横に置いて、見ながら描く
どちらの場合も、線はなぞらずに自分で引きます。3Dの輪郭をそのままなぞると、自分の絵柄で誇張していた形まで3Dの形に引っ張られるためです。続きものやシリーズで同じキャラを何枚も描くなら、よく使う角度(正面・斜め前・真横・斜め後ろ・真後ろ・俯瞰・あおり)を一度にまとめて撮っておくと、毎回同じ形を基準にできます。
好きな角度を1枚ずつ残すにはスクリーンショットが向き、正面・横・後ろをまとめて1枚で残したいときは、作品の画面の「三面図を保存(4方向)」が使えます。3Dモデルを正面・右側面・背面・左側面から撮った白背景のPNGが保存され、遠近の歪みが無い撮り方なので、横の比率を見比べやすいのが利点です。保存にトークンはかかりません。ただし映るのは、AIが補った部分も含む3Dモデルそのものです。また、元の絵が斜めを向いていると、横の2枚がきれいな真横にならないことがあります。
光の当たり方を確かめるには?
Figmeeのビューアで変えられるのは全体の明るさまでで、光の向きを決める操作はありません。どちらから光が当たったときに、どこに影が落ちるかまで確かめたいときは、GLBを保存してBlenderに読み込み、ライトを置きます。
- GLBを保存する:作品の画面の「保存」から「3Dモデル(GLB)」を選びます。保存に追加のトークンはかかりません。
- Blenderに読み込む:「ファイル > インポート > glTF 2.0 (.glb/.gltf)」で読み込みます。手順とつまずきやすい点はFigmeeのGLBをBlenderで作り込む手順にまとめています。
- ライトを1つ置く:Blenderのライトには、Point(点光源)・Spot(スポット)・Area(エリア)・Sun(太陽光)の種類があります。Sunは遠くから一方向に当たる光で、ほかのオブジェクトと同じように回すと光の向きが変わります(Blender Manual「Light Objects」)。
- 「レンダー」の表示で見る:Blenderの「マテリアルプレビュー」はHDRIの環境で照らす表示で、置いたライトを使うかどうかは「Scene Lights」の設定で切り替わります。置いたライトでの影を確かめるなら、ビューポートのシェーディングを「レンダー」にすると、シーンのレンダーエンジンで表示されます(Blender Manual「Viewport Shading」)。
もう1つ知っておきたいのが、金属のような光り方です。FigmeeのGLBは、ほかのソフトで開くと、素材の設定のせいで縁が金属のように光って見えることがあります。Figmeeのビューアは金属の感じを0に直して表示しているので、Blenderでも素材(Principled BSDF)の「Metallic」を0にすると、ビューアに近い見え方になります。Metallicは、0で金属でない素材、1で金属の反射になる値です(Blender Manual「Principled BSDF」)。
ポーズを変えたいときはどうする?
Figmeeの3Dモデルには骨組み(リギング)が入っていないため、ポーズは元の絵のままで、Figmeeの中では動かせません。別のポーズで角度を確かめたいときは、そのポーズの絵から3Dを作り直すのがいちばん確かです。
- 別のポーズの絵から作り直す:Figmeeに入れる絵は1回に1枚です。描きたいポーズの全身の絵を1枚用意し、Step 1から同じ手順で作ります。腕や脚が体と大きく重なるポーズは、パーツどうしがくっついた形になることがあるので、重なりの少ないポーズのほうが資料に向いています。
- Blenderで骨を入れる:GLBをBlenderに読み込み、骨組みを入れてからポーズを付けます。3Dソフトの操作を覚える時間が要る方法で、骨組みの考え方はリギングとは?で説明しています。
絵を描く前にポーズの案を画像で見たい場合は、キャラクターを登録し、見た目をできるだけ保ちながら別のポーズの画像を作る方法もあり、手順はAIイラストのキャラで同じ顔の別ポーズを作るには?で紹介しています。
ポーズそのものを考える段階では、関節を曲げられるデッサン人形やポーズアプリのほうが早く進みます。ポーズを人形で決めてから、髪や服の見え方を自分のキャラの3Dで確かめる、という組み合わせも使えます。
デッサン人形と自分のキャラの3D、どう使い分ける?
新しいポーズの体の構造を考えるときはデッサン人形やポーズアプリ、決まったキャラを角度を変えて描くときは自分のキャラの3D、と分けると迷いません。1枚の絵で両方を使うなら、ポーズは人形で決め、頭と髪・服の見え方は自分のキャラの3Dで確かめます。
| 描きたいもの | 使う道具 | 理由 |
|---|---|---|
| 新しいポーズ(走る・座る・振り向く) | デッサン人形・ポーズアプリ | 関節を曲げてポーズを作れる |
| 立ち姿のキャラを、斜め後ろ・真後ろから | 自分のキャラの3D | 後ろ髪や背中の形が入っている |
| 俯瞰・あおりの顔と髪 | 自分のキャラの3D | 頭のてっぺんやあごの下の重なりを、回して見られる |
| 光の向きと影の形 | Blender(GLB)など、ライトを置けるソフト | Figmeeのビューアは全体の明るさだけ |
| シリーズで同じキャラを何枚も | 自分のキャラの3D | 毎回同じ形を基準にできる |
角度ごとの描き方は、キャラクターの後ろ姿の描き方、横顔の描き方、俯瞰とあおりの描き方で詳しく紹介しています。
向いている人・向いていない人
- 向いている人:オリキャラ・うちの子を何枚も描く人、正面以外の角度で髪や服の形に迷う人、三面図を描く前に形のアタリが欲しい人
- 向いていない人:ポーズの研究が目的の人(ポーズは変えられません)、描いていない側まで設定どおりの資料が欲しい人(AIが補った形になります)、動かせる3Dが欲しい人(骨組みは入っておらず、VRMでは保存できません)
3Dを資料にするとき、気をつけることは?
自分のキャラの3Dは「アタリを取る資料」で、正解ではありません。描かれていない側はAIの推測で、細いパーツは太くなったり省かれたりし、マンガ調の顔は横から見ると違和感が出ることがあります。
- 背中側は推測:絵は1枚だけ入れるので、後ろ側はAIが補った形です。自分の設定と違うときは、設定のほうを優先します。
- 細いパーツ:髪の毛先、アンテナ、細いリボンなどは、途切れたり、太くなったりすることがあります。
- マンガ調の顔:大きな目や小さな口は、正面で可愛く見えるように描かれた表現で、立体にすると横から見たときに違和感が出ることがあります。これはAIの誤りというより、元の絵が持っていた平面ならではの表現が見えたものです(イラストが3D化できないと言われる理由)。顔を描くときは、3Dの顔より自分の絵の顔の描き方を優先します。
- イベントでの使い方:同人誌即売会によっては、生成AIで作ったものを頒布物や展示物に使えない決まりがあります。3Dは描くための資料にとどめ、絵は自分の手で描きます。コミティアの決まりと使える場面はコミティア158初参加の準備で整理しています。
よくある質問
デッサン人形はもういらなくなりますか?
いいえ。自分のキャラの3Dはポーズを変えられないので、新しいポーズの体の構造を考えるには、デッサン人形やポーズアプリが向いています。自分のキャラの3Dが得意なのは、決まったキャラの髪型や服を、いろいろな角度から確かめることです。2つは置き換えではなく、役割の違う道具です。
3Dモデルの表情やポーズを変えられますか?
Figmeeの中では変えられません。3Dモデルは形と色のデータで、骨組み(リギング)やアニメーションには対応していません。別のポーズで確かめたいときは、そのポーズの絵から作り直すか、GLBをBlenderに読み込んで骨組みを入れます。
いくらかかりますか?
登録特典で無料トークンが5つ付与されます(登録から3か月有効・同じメールアドレスでの初回登録時のみ)。フィギュア風画像の生成は品質に応じて1〜3トークンです。3Dモデルはアカウントにつき初回1体が無料で、2体目からは5トークンです。追加のトークンは550円で5つ購入できます。ビューアで回す、GLBを保存する、回転動画を書き出すのに、追加のトークンはかかりません。
3Dプリントして、実物のデッサン人形のように使えますか?
Figmeeでの実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)で、いまは注文できません。保存できる3MFは自分の3Dプリンターや3MFを受け付けている出力サービスで使うデータですが、そのまま印刷できるかはプリンターやソフトによって異なります。また、関節は無いのでポーズは変えられません。
まとめ
デッサン人形は体の構造とポーズを考える道具、自分のキャラの3Dは、決まったキャラの髪型や服をいろいろな角度から確かめる道具です。Figmeeなら絵1枚から3Dモデルを作り、ブラウザで上下左右に回して、描きたい角度のスクリーンショットや、4方向をまとめた三面図のPNGを下敷きにできます。光の向きと影はBlender、新しいポーズは人形か別のポーズの絵、と役割を分けると迷いません。
アカウントにつき初回1体の3Dモデルは無料です。いちばんよく描くキャラの1枚から作って、いつも迷う角度を回して見てください。
参考にした資料
- Wikipedia「デッサン人形」:デッサン人形の定義と使われ方
- CLIP STUDIO PAINT「主な機能」:3Dデッサン人形の体型・頭身の変更とポーズ付け
- Blender 5.2 LTS Manual「Light Objects」(英語):ライトの種類とSunの向き
- Blender 5.2 LTS Manual「Viewport Shading」(英語):マテリアルプレビュー・Scene Lights・レンダーの表示
- Blender 5.2 LTS Manual「Principled BSDF」(英語):Metallicの値の意味




