VRoidとAIの3D生成の違いは、どこから作り始めるかと、できた3Dが動くかどうかです。VRoid Studioは、用意された素体とパーツを調整してキャラクターを組み立て、人型のアバターの形式であるVRMで書き出す無料のソフトで、配信やVRChatで動かす用途に向きます。AIの3D生成は、自分で描いた絵1枚から形と色を作る方法で、描いた絵柄や小物を立体で確かめる用途に向きます。ただしFigmeeの場合はVRMで書き出せず、骨(ボーン)も入らないため、そのままでは動かせません。
この記事は、描いたキャラクターを立体にしたいと考えていて、VRoidも候補に入れている描き手に向けて、2つの違いと目的からの選び方を整理します。VRoid Studioの機能は、2026年11月7日に公式サイトで確かめた内容です。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。実在の人物・動物・物・風景を撮った写真や、写真のように見える画像は3Dにできません。
VRoidとAIの3D生成は何が違う?
VRoid Studioは「自分で組み立てる」道具で、AIの3D生成は「描いた絵から作る」方法です。VRoidの3Dは動かすための形式(VRM)で書き出せ、AIの3D(Figmeeの場合)は動きのない形と色のデータになります。主な違いは次のとおりです。
| 比べること | VRoid Studio | AIの3D生成(Figmeeの場合) |
|---|---|---|
| 作り始めるもの | 用意された素体とパーツ。パラメータで形を整え、髪やテクスチャを描き込む | 自分で描いた絵1枚(PNG・JPEG・WebP、1枚20MBまで) |
| 作れるキャラクター | 人型(VRMは人型のキャラクター・アバターのための形式) | 描いたキャラクター(人型でなくてもよい) |
| 書き出せる形式 | VRM | GLB・3MF(VRM・FBX・OBJ・STLは不可) |
| 骨と表情 | VRMは標準の人型の骨の構成と、表情・まばたき・口の形の操作を持てる | 入っていない(動きのない形と色のデータ) |
| 絵柄の出方 | 素体の上に、自分で髪・服・テクスチャを作って寄せていく | 絵の色・模様・小物から作る。描いていない側はAIの推定 |
| 主な使い道 | VRM対応のアプリでアバターとして使う、VRoid Hubで公開する | 360°回して確かめる、回転動画、Blenderでの編集、3Dプリント用のデータ(3MF) |
| 費用 | 無料(公式)。iPad版はアプリ内に広告が入り、広告を消す有料のプラン(VRoid Plus)がある | 3Dモデル1体5トークン。アカウントにつき初回1体は無料 |
| 使う機器 | Windows・macOS・iPadのアプリ | ブラウザ(PC・スマートフォン) |
VRoid Studioの公式サイトは、「ゼロからモデリングをしなくても、アイテムを選んで組み合わせ、パラメータを調整するだけでキャラクターメイキングができます」と説明し、制作したモデルはVRM形式でエクスポートできると書いています(出典: VRoid Studio公式サイト、2026年11月7日確認)。対応しているのはWindows・macOS・iPadで、どのバージョンも無料とされています。
VRMは、VRMコンソーシアムが「人型のキャラクターやアバター」に対象を絞って決めたglTFベースの形式です。標準の人型の骨の構成と、喜怒哀楽・まばたき・「あいうえお」の口の形といった表情の操作を共通にしています(出典: VRM「VRMの特徴・内容」、2026年11月7日確認)。一方のFigmeeは、保存できる形式がGLBと3MFの2つで、骨組みを入れて動かす設定(リギング)やアニメーションには対応していません(Figmeeのヘルプ「Figmeeでできないこと」)。
配信やVRChatで動かしたいならどちら?
キャラクターを配信やVRChatで動かすことが目的なら、VRoid Studioのほうが近道です。VRoidはVRMで書き出せ、VRMは体の動き・表情・口の形を扱う共通の決まりを持っています。Figmeeの3Dモデルには骨が入っていないので、そのままでは動かせません。
VRoid Studioの公式サイトでは、制作したモデルをVRoid Hubにアップロードして公開したり、VRoid Hubと連携したゲームやアプリで使ったりできると案内しています。制作した3Dモデルは商用・非商用を問わず使えるとされ、pixivや第三者のデータを使って作った場合は、そのライセンス条件に従います(前掲の公式サイト)。
VRoid StudioやBlenderで作ったモデルをVRChatに自分のアバターとしてアップロードするには、UnityとVRChatのSDKを使う工程があります。VRChatの案内では、VRoid Studioが書き出すVRMはUnityがそのままでは扱えない形式だとして、有志が作った変換の道具(VRMtoVRChat)を紹介しています。なお、VRChatが紹介する初心者向けのアバター作成ツールを使う場合は、SDKを使わずに簡単なアバターを作れるとしています(出典: VRChat Creation「Creating Your First Avatar」、2026年11月7日確認)。どこでつまずきやすいかはVRChatのアバターが作れない初心者へで工程ごとに整理しています。
AIで作った3Dモデルを動かしたい場合は、Blenderなどの外部のツールで骨を入れる作業(リギング)が必要です。リギングがどんな作業かはリギングとは?、AIで作った3DモデルをVRMにしてVRChatで使うときに何が足りないかはAI生成3DモデルをVRM化してVRChatで使えるかで詳しく扱っています。
描いた絵柄を立体で確かめたいならどちら?
描いた絵の色・模様・小物を、まず立体で見てみたいなら、AIの3D生成が向いています。絵1枚から作るので、服の模様や持ち物、左右で違うデザインといった、絵に描いた情報が出発点になります。ただし、描いていない側(後ろや横)や細かい部分はAIの推定で、絵と同じになるとは限りません。
VRoid Studioでも、3DモデルとUV展開(立体の表面を平らに広げた図)に直接描き込んだり、髪を描くように形作ったりして、自分の絵柄に寄せていけます。ただ、素体から組み立てる分、描いた絵の形に近づけるのは自分の作業になります。動物やモンスター、マスコットのような人型でないキャラクターは、人型のための形式であるVRMの前提から外れます。
Figmeeでは、作る段階が2つに分かれています。
- 3D画像(フィギュア風画像)を作る:絵をアップロードし、品質を選んで作ります。使うトークンは標準が1、Proが2、Maxが3です。
- 3Dモデルを作る:気に入った3D画像から作ります。1体5トークンで、アカウントにつき初回1体は無料です。
1つ目の段階で絵柄が保たれているかを見て、違えば3Dモデルに進む前に作り直せます。生成に失敗したときは、使ったトークンが自動で戻ります。イラストから3Dにする流れ全体はイラストを3D化する方法で解説しています。
| 向いている人 | 向いていない人 | |
|---|---|---|
| AIの3D生成 | 描いたキャラクターをすぐ立体で見たい人、人型でないキャラクターを描く人、回転動画で作品を見せたい人 | 配信やVRChatで動かしたい人、後ろ側まで描いたとおりの形にしたい人 |
| VRoid Studio | 人型のアバターを自分の手で作り込みたい人、VRMで動かしたい人、費用をかけずに始めたい人 | 人型でないキャラクターを作りたい人、絵1枚から短い時間で立体を見たい人 |
両方を組み合わせられる?
組み合わせられます。ただし向きは一方通行で、「AIで作った3Dを資料にして、VRoid Studioで組み立てる」使い方になります。Figmeeの3Dモデルを、Figmeeの中でVRMに変えて動かせるようにすることはできません。
資料にする手順は次のとおりです。
- 正面寄りの全身の絵を1枚選ぶ(目安5分):PNG・JPEG・WebPで、1枚20MBまでです。
- Figmeeで3D画像を作る(操作は2分ほど):使うトークンは1〜3です。
- 3Dモデルを作る(操作は1分ほど):5トークンで、アカウントにつき初回1体は無料です。
- ビューアで角度を変えてスクリーンショットを撮る(目安10分):ブラウザのビューアでは、横・後ろに加えて上下にも回せ、顔の近くまで寄れます。
- VRoid Studioで素体とパーツを選び、資料を見ながら寄せる(作り込む量による):髪型のシルエットや服の厚み、小物の位置を見比べます。
生成を待つ時間は混み具合で変わります。後ろ側はAIの推定なので、資料として信じすぎず、自分の設定と違うところは描いた絵のほうを正としてください。
VRoid Studioは2026年4月23日に、制作画面にイラストなどの参考画像を表示しながらモデリングできる機能を開発中だと告知しています。提供の時期は決まり次第知らせるとしています(出典: VRoid「今後のVRoid Studioについて」、2026年11月7日確認)。
費用と時間はどう考える?
VRoid Studioは公式に無料とされ(iPad版には広告と、広告を消す有料のプランがあります)、費用の代わりに組み立てと描き込みの時間がかかります。Figmeeはトークンを使い、3Dモデル1体5トークン(アカウントにつき初回1体は無料)で、操作は数分です。
VRoid Studioは公式サイトで「どのバージョンも無料」とされています。前の節で触れた2026年4月23日の告知では、今後PC版とiPad版に広告バナーを置く予定で、非表示にする手段も用意する予定だと書かれていました。その後、2026年6月29日のv2.14.0で、iPad版のアプリ内に広告が表示されるようになり、広告を非表示にする有料のサブスクリプション「VRoid Plus」(1か月・3か月・6か月のプラン)が始まりました。動画広告を見ると120分間は広告が消え、pixivプレミアムのアカウントでログインするとVRoid Plusと同じ機能を使えるとしています(出典: VRoid Studio v2.14.0のお知らせ(2026年6月29日)、2026年11月7日確認)。このお知らせにPC版の広告のことは書かれていません。使う前にアプリの案内で確かめてください。
Figmeeで使うトークンは次のとおりです(2026年11月時点)。
| 使うところ | トークン | 補足 |
|---|---|---|
| 登録特典 | 5トークンが付く | 登録から3か月有効。同じメールアドレスでは最初の登録のときだけ |
| 3D画像を作る | 標準1・Pro2・Max3 | 生成に失敗したときは自動で戻る |
| 3Dモデルを作る | 1体5(アカウントにつき初回1体は無料) | 生成に失敗したときは自動で戻る。GLB・3MFの保存に追加のトークンはかからない |
| トークンを買い足す | 5トークンで550円 | 最後に買った日から3か月有効 |
配信で動かす3Dモデルを人に依頼する場合の費用の目安は、VTuberの3D化にかかる費用にまとめています。
迷ったらどう決める?
次の3つの問いに順に答えると決まります。動かしたいならVRoid、描いた絵を立体で確かめたいならAI、両方ならAIで見てからVRoidで組み立てる、という順番です。
- そのキャラクターを、配信・VRChat・VRM対応のアプリで動かしたい?はいなら、VRoid Studioで作るか、動く3Dモデルを人に依頼します。描いた絵柄も先に立体で確かめたいなら3へ。いいえなら2へ。
- 描いた絵の色・模様・小物を、まず立体で見たい?人型でないキャラクター?はいなら、AIの3D生成が合います。
- 動かすことと、描いた絵柄を確かめることの両方が欲しい?はいなら、AIで先に立体を見て、それを資料にVRoid Studioで組み立てます(前の節の手順)。
どちらか1つに決める必要はありません。描いたキャラクターがどんな立体になるかを先に見ておくと、VRoidで作るときの髪型や服の形の迷いが減ります。
よくある質問
FigmeeでVRMを書き出せますか?
書き出せません。Figmeeで保存できるのはGLBと3MFの2つで、骨(ボーン)も入っていません。VRMにして動かすには、外部のツールで骨を入れ、アバターとして設定する工程が必要です。
VRoid Studioに自分の絵を読み込んで、自動で3Dにできますか?
公式サイトで紹介されている作り方は、素体とパーツを選んでパラメータで整え、髪やテクスチャを描き込む方法で、絵1枚から自動で立体を作る機能は書かれていません。制作画面に参考画像を表示する機能は、2026年4月23日に開発中と告知されています。
写真をもとに3Dを作れますか?
Figmeeは描いた絵が対象で、実在の人物・動物・物・風景を撮った写真や、写真のように見える画像は判定で生成が止まり、使ったトークンは自動で戻ります。紙に描いた絵をスマートフォンで撮った画像や、スキャンした画像は使えます。
まとめ
VRoid Studioは、素体とパーツを調整してキャラクターを組み立て、VRMで書き出す無料のソフトで、配信やVRChatで動かす用途に向きます。AIの3D生成は、描いた絵1枚から形と色を作る方法で、描いた絵柄や小物を立体で確かめる用途に向きますが、Figmeeの3DはVRMではなく骨も入らないため、そのままでは動かせません。
動かすならVRoid、描いた絵を立体で見るならAI、両方ならAIの3Dを資料にしてVRoidで組み立てる。この順で考えると迷いません。




