リギングとは、3Dモデルの内部に骨組み(ボーン)を仕込み、ポーズや動きを付けられるようにする工程のことです。固まったまま動かない3Dモデルを、歩かせたり手を振らせたりできる“動くモデル”へ変えるための下ごしらえだと考えてください。
※現在のFigmeeは、アップロードした絵やイラストから、フィギュア風画像と3Dモデルデータ(GLB / 3MF)を生成・ダウンロードできるサービスです。実物の3Dプリント品の販売は準備中(Coming Soon)です。
リギングとは:人形に骨を通す作業
針金の骨組みが入った人形を想像すると分かりやすいです。針金がなければ姿勢は固定されたままですが、針金を仕込めば腕や脚を自由に曲げられます。3Dモデルも同じで、作っただけの状態ではポーズを変えられません。リギングは、その内側に骨組みを通して関節から曲げられるようにする工程で、この「針金」にあたるのがボーンです。
リギングで登場する基本の3つの言葉を整理します。
- ボーン(bone):3Dモデルの中に仕込む骨のこと。複数のボーンをつなげた骨格全体を「アーマチュア(スケルトン)」と呼びます。Blender公式マニュアルも、アーマチュアを「本物の骨格に似たもので、多数のボーンで構成され、ボーンを動かすと、それに結びついた部分も同じように動いて変形する」と説明しています(出典: Blender公式マニュアル Armatures、2026年7月時点)。
- スキニング(skinning):骨組み(アーマチュア)と、外側の見た目(メッシュ)を結びつける作業です。Blender公式は、アーマチュアをメッシュに“リンク”させて変形できるようにする工程を「スキニング」と呼んでいます(出典: Blender公式マニュアル Skinning、2026年7月時点)。
- ウェイト(weight/ウェイトペイント):どのボーンが、メッシュのどの部分を、どれくらいの強さで動かすかを決める“影響度”の設定です。この配分がうまくないと、腕を曲げたときに肩や服が不自然に引っぱられてしまいます。
リギングが必要な場面・不要な場面
リギングは「3Dモデルを動かしたいかどうか」で必要性が分かれます。動かさないのであれば、いつも必要というわけではありません。
リギングが必要な場面(動かす用途)
- キャラクターを歩かせる・走らせるといったアニメーションを作る
- ゲームに登場させて、プレイヤーの操作で動かす
- VTuberのアバターとして、自分の動きに合わせてリアルタイムに動かす
こうした「関節から動く」表現には、内側の骨組みが欠かせません。
リギングが不要な場面(動かさない用途)
- 1枚の静止画としてレンダリング(きれいな絵として書き出す)する
- モデルを360°ぐるっと回して、全方向から見せる
- 3Dプリント用のデータとして書き出す(造形するだけなら関節は不要)
たとえば、3Dモデルとはで説明しているような“見せるための3Dモデル”は、リギングなしでも十分に成立します。Figmeeで生成した3Dモデルも、ブラウザ上でそのまま360°回転させて全方向から確認できるため、リギングをしなくても作品として見せられます。
リギングあり/なしでできること
同じ3Dモデルでも、リギングの有無でできることが変わります。
| できること | リギングなし | リギングあり |
|---|---|---|
| 360°回転して全方向から見せる | できる | できる |
| 静止画としてきれいに書き出す | できる | できる |
| 3Dプリント用データとして書き出す | できる | できる(動きの情報は使われない) |
| ポーズを自由に変える | できない | できる |
| 歩く・手を振るなどのアニメーション | できない | できる |
| ゲーム・VTuberで操作して動かす | できない | できる |
ポイントは、「見せる」だけならリギングは不要、「動かす」なら必要という住み分けです。
リギングの基本的な流れ
ここでは、無料の3DソフトBlenderを例に、リギングのおおまかな流れを紹介します。実際の操作は奥が深いので、あくまで全体像として捉えてください。
- ボーン(アーマチュア)を入れる(目安:30分〜) モデルの体の中に、骨格に合わせてボーンを配置していきます。背骨・腕・脚・指など、動かしたい関節の数だけボーンを用意します。
- スキニングで骨とメッシュを結びつける(目安:数分〜) メッシュとアーマチュアを選び、親子関係を設定します。Blenderには、選んだ骨組みからメッシュへの影響度を自動で割り当てる「自動ウェイト(Automatic Weights)」機能があり、まずはここから始めるのが一般的です(出典: Blender公式マニュアル Skinning、2026年7月時点)。
- ウェイトを調整する(目安:数十分〜数時間) 自動ウェイトはあくまで出発点で、そのままだと関節の曲がり方が不自然になりがちです。ウェイトペイントで、どのボーンがどの部分をどれくらい動かすかを塗り分けて微調整します。ここが仕上がりを左右する山場です。
正直に言うと、この工程は3Dに慣れていない人にとって最初の難所になりやすい部分です。特にウェイト調整は根気のいる作業で、Blender公式マニュアルでも、自動ウェイトは良い出発点だが、あとで微調整が必要になることが多い、と案内されています。
自動リギングという選択肢
「ボーンを一から入れて、ウェイトを塗る」という手作業はハードルが高いと感じる場合、自動リギングのサービスを使うという選択肢があります。
代表的なのが、Adobeが提供する無料のWebサービス「Mixamo(ミキサモ)」です。自作の3Dキャラクターをアップロードすると、体の各部位を自動で認識してボーン(スケルトン)を設定し、さらに用意された多数のアニメーションを適用できます。Adobeアカウントがあれば無料で利用できます(出典: Adobe Mixamo公式、Adobe Mixamo FAQ、2026年7月時点)。
人型のキャラクターであれば、こうした自動リギングを使うことで、リギングの手間を大きく減らせます。ただし、対応するモデルの条件や仕上がりはサービスごとに異なるため、実際に使うときは各サービスの公式情報を確認してください。
よくある質問
AIで作った3Dモデルはそのまま動かせますか?
多くの場合、そのままでは動かせません。AIで生成した3Dモデルは、見た目(メッシュ)はできていても、内側に骨組みが入っていないことがほとんどだからです。歩かせたり手を振らせたりしたい場合は、あとからリギングを追加する必要があります。逆に、360°回して見せる・静止画にする・造形用データにするだけなら、リギングなしのまま使えます。AIで作ったモデルを編集する流れは、AIで作った3Dモデルを編集する方法で解説しています。
リギングなしでも作品として見せられますか?
はい。リギングは「動かす」ための工程なので、動かさない見せ方であれば不要です。360°回転で全方向から見せたり、好きなアングルで静止画に書き出したりする分には、リギングがなくても作品として成立します。
リギングは自分でやらないといけませんか?
そうとは限りません。人型のキャラクターであれば、前述のMixamoのような自動リギングのサービスを使う方法があります。手作業でBlenderのボーンを一本ずつ入れる方法と、自動リギングに任せる方法の、どちらを選んでもかまいません。
Figmeeにリギング機能はありますか?
現在のFigmeeは、絵やイラスト・写真から、フィギュア風画像と3Dモデルデータ(GLB / 3MF)を生成・ダウンロードできるサービスで、リギング機能そのものは備えていません。生成した3Dモデルを動かしたい場合は、GLBなどで書き出したデータをBlenderやMixamoなど外部のツールに持ち込んで、そちらでリギングする流れになります。
まとめ
リギングとは、3Dモデルの内側に骨組み(ボーン)を仕込み、ポーズや動きを付けられるようにする工程です。骨組みそのものがボーン、それをメッシュと結びつけるのがスキニング、動きの影響度を整えるのがウェイトでした。
大切なのは、「見せる」だけならリギングは不要、「動かす」なら必要という住み分けです。歩く・ゲーム・VTuberなど動かす用途には欠かせませんが、360°回して見せる・静止画にする・造形用データにするだけなら、リギングなしでも十分に作品として成立します。手作業が難しければ、Mixamoのような自動リギングを使う手もあります。まずは動かすことにこだわりすぎず、3Dモデルを作って360°ぐるっと見せるところから始めてみましょう。




