Unreal Engine 5(UE5)は、GLBを標準の機能で読み込めます。Unreal Engineではこの操作を「Import」と呼ぶので、この記事では「取り込み」と書きます。Content BrowserにGLBをドラッグ&ドロップするか「+Add」→「Import to」を選ぶと、「Interchange Pipeline Configuration(Import Content)」のダイアログが開き、設定を確かめて「Import」を押せば取り込めます(出典: Epic Games公式ドキュメント「Importing glTF Files」、UE5.8、2026年11月7日確認)。骨(ボーン)の入っていないGLBはStatic Meshとして入るので、置いて見せることはすぐにできますが、そのままでは歩かせたりポーズを変えたりはできません。
この記事では、取り込みの手順、ダイアログで見ておく項目、Static MeshとSkeletal Meshの違い、マテリアルが真っ白・光りすぎるときの直し方、大きさと向きの調整、UnityやGodotとの違いを順に説明します。取り込むGLBの例には、Figmeeで描いた絵から作った3Dモデルを使います。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。写真や写真のように見える画像は3Dにできません(描いた絵が対象です)。
Unreal EngineはGLBを標準で取り込める?
取り込めます。Epic Gamesの公式ドキュメントは、glTFのファイルはほかの種類のコンテンツと同じ方法で取り込むと案内しており、追加のプラグインを入れる手順は書かれていません。シーン全体を取り込むことも、個々のアセットだけを取り込むこともできます。
同じドキュメントでは、glTFには2つの形があると説明しています。.gltfはシーンの説明・テクスチャ・バイナリのデータが別々のファイルに分かれて指定したフォルダに入る形、.glbはそれらを1つのファイルにまとめた形です。GLBなら付随するファイルを一緒に運ぶ必要がないので、ほかのソフトから受け取ったデータでも参照が切れません。GLBそのものの説明はGLBファイルとはにまとめています。
ネット上の解説には、版によって異なる取り込み方が載っていることがあります。この記事は、2026年11月7日に確かめたUE5.8の公式ドキュメントの手順に沿っています。
GLBを取り込む手順は?
取り込み先のフォルダをContent Browserで開き、GLBをドラッグ&ドロップして、開いたダイアログで設定を確かめてから「Import」を押します。レベルに置いて確かめるところまで、5分ほどです。
- GLBを用意する(目安1分):Figmeeで作った3Dモデルなら、画面上部のメニューの「ギャラリー」から「作品」を開き、作品を選んで「保存」→「3Dモデル(GLB)」を選びます。保存に追加のトークンはかかりません。
- Content Browserで取り込み先のフォルダを開く(目安30秒):キャラクターや小物ごとにフォルダを分けておくと、あとでマテリアルやテクスチャを探しやすくなります。
- GLBをContent Browserへドラッグ&ドロップする(目安10秒):「+Add」→「Import to」からファイルを選んでもかまいません。
- ダイアログで設定を確かめる(目安2〜3分):「Interchange Pipeline Configuration(Import Content)」のダイアログが開きます。見ておく項目は下の表のとおりです。
- 「Import」を押す(目安数十秒〜数分):取り込みが終わると、Content BrowserにStatic Mesh・マテリアル・テクスチャのアセットが並びます。
- レベルへドラッグして置き、表示を確かめる(目安1分):色・大きさ・向きを見ます。真っ白・光りすぎ・大きさ違いがあれば、このあとの節で直します。
シーンごとレベルに置きたいときは、「File」→「Import Into Level」を選び、GLBを開いたあと、「Choose location for importing scene content」のダイアログで保存先のフォルダを決め、続いて開く「Interchange Pipeline Configuration(Import Content)」のダイアログで「Import」を押します。
取り込みのダイアログで見ておく項目
ダイアログの項目は、取り込むファイルの形式と選んでいる取り込みの設定(Pipeline Stack)によって変わります(出典: Epic Games公式ドキュメント「Interchange Import Reference」、UE5.8、2026年11月7日確認)。骨の無いGLBで見ておきたいのは次の項目です。
| 場所 | 項目 | 内容 | 骨の無いGLBでの考え方 |
|---|---|---|---|
| Common | Offset Translation・Offset Rotation・Offset Uniform Scale | 取り込むときに位置・回転・大きさのずれを足す | 向きや大きさが合わないときに使う |
| Common Meshes | Force All Mesh as Type | すべてのメッシュをStatic MeshかSkeletal Meshのどちらかにそろえて取り込む。既定のNoneはそろえない | 既定のNoneでよい。骨が無いのでStatic Meshとして入る |
| Static Meshes | Import Static Meshes | Static Meshのアセットを取り込む | オンにする |
| Static Meshes(Collision) | Import Collision | 当たり判定を取り込む。無ければ作る | ゲームの中でぶつかる物にするならオン |
| Materials | Import Materials・Material Import | マテリアルを取り込むか、マテリアルとして作るかマテリアルインスタンスとして作るか | オンにする(オフだと元のファイルのマテリアルが取り込まれない) |
| Textures | Import Textures・Detect Normal Map Texture | テクスチャを取り込むか、ノーマルマップを見分けて設定を合わせるか | どちらもオンにする |
Materialsの「Parent Material」を指定しないと、陰影の方式(Lambert/Phong・Unlit・金属らしさと粗さのPBR・Specular/GlossinessのPBR)に合わせた親マテリアルが自動で選ばれます。glTFのマテリアルは金属らしさと粗さで質感を決めるPBRです。
Static MeshとSkeletal Meshのどちらで入る?
骨の入っていないGLBは、Static Meshとして入ります。Static Meshは形が変わらない物のためのアセットで、置く・回す・光を当てる・当たり判定を付けることはできますが、関節を曲げることはできません。
FigmeeのGLBには骨(ボーン)が入っておらず、リギングもされていません。動きのない形と色のデータなので、ダイアログの「Force All Mesh as Type」を既定のNoneのまま取り込むと、Static Meshになります。この項目でSkeletal Meshを選ぶこともできますが、公式のPython APIの説明では、Skeletal Meshへの変換はスキンの付いたメッシュが無いときにだけ行われる、と書かれています(出典: Unreal Python API「InterchangeGenericCommonMeshesProperties」、UE5.8、2026年11月7日確認)。骨と重み(スキン)が無いモデルは、Skeletal Meshにしても関節で曲がる体にはなりません。
| 使い方 | 骨の無いGLB(Static Mesh)でできるか | 補足 |
|---|---|---|
| レベルに置く・展示する | できる | 回転する台に載せる、ライトを当てるなど |
| 背景・小物・飾りとして使う | できる | 当たり判定を付ければ、ぶつかる物にもできる |
| 歩かせる・走らせる | そのままではできない | 骨を入れて重みを付けるリギングが別に要る |
| 表情を変える | そのままではできない | 形を変える仕組み(モーフ)が別に要る |
キャラクターを動かしたいなら、Blenderなどで骨を入れて重みを付けたうえで書き出し直す、という工程が別に要ります。どんな作業かはリギングとはで説明しています。まずは飾りのオブジェクト・背景・展示として使い、動かすかどうかはそのあとで決めると、手戻りが少なくなります。
マテリアルが真っ白・光りすぎるときは?
光りすぎる・暗く沈むなら金属らしさの値を、真っ白や灰色のままならテクスチャとマテリアルが取り込まれているかを疑います。FigmeeのGLBは、生成したままだと金属らしさの値が高めに入っているので、Unreal Engineの光や周りの映り込みしだいで、縁が金属のように光ったり、全体が暗く見えたりする場合があります(Figmeeのブラウザのビューアは、表示するときに金属らしさを0に直しています)。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 縁が金属のように光る・周りが映り込む・暗く沈む | 金属らしさの値が高い | Blenderで金属らしさを0にして書き出し直す。またはUnreal Engineで自作のマテリアルに替える |
| 真っ白・灰色で色が無い | マテリアルかテクスチャが取り込まれていない | ダイアログのImport MaterialsとImport Texturesがオンか確かめ、取り込み直す。Content Browserにテクスチャのアセットがあるかも見る |
| 色は出るが凹凸の向きがおかしい | ノーマルマップの緑のチャンネルの向きの違い | ダイアログのTexturesにあるFlip Normal Map Green Channelを試す |
| 古い作品のGLBだけ色が入らない | 色の画像の形式 | 下の「古いGLBの色」を見る |
Unreal Engineで自作のマテリアルに替える手順
取り込まれたマテリアルを触らずに、色のテクスチャだけを使う新しいマテリアルを作って差し替える方法です。10分ほどで終わります。
- 新しいマテリアルを作る(目安1分):Content Browserで「+Add」から「Material」を作り、分かる名前を付けます。
- 色のテクスチャをつなぐ(目安3分):マテリアルを開き、取り込まれた色のテクスチャをグラフへドラッグして、その出力をBase Colorにつなぎます。
- 金属らしさを0にする(目安1分):Metallicに0の定数(Constant)をつなぎます。
- 凹凸も使うならノーマルマップをつなぐ(目安2分):取り込まれたノーマルマップのテクスチャをNormalにつなぎます。
- 保存して差し替える(目安2分):マテリアルを保存し、Static Meshを開いてマテリアルの欄を新しいマテリアルに替えます。
Blenderで直す場合は、読み込んだマテリアル(Principled BSDF)のMetallicにつながっている線を外して値を0にし、GLBとして書き出し直します。BlenderでのGLBの読み込み方はFigmeeのGLBをBlenderに読み込む手順で説明しています。
古いGLBの色
2026年10月25日より前にFigmeeで作った3DモデルのGLBは、色の画像がWebP形式で入っています。それ以降のGLBは、色の画像がJPEG、凹凸の画像がPNGです。古いGLBで色が入らないときは、BlenderでGLBを読み込み、書き出しの「Images」でPNGかJPEGを選んで書き出し直したものを取り込むと、原因が画像の形式かどうかを切り分けられます。Blenderの公式マニュアルでは、glTFの書き出しの「Images」で、画像の形式をPNG・JPEG・WebP・Noneから選べると説明されています(出典: Blender 5.2 LTS Manual「glTF 2.0」、2026年11月7日確認)。
大きさと向きはどう直す?
取り込む前ならダイアログのCommonにある「Offset Uniform Scale」と「Offset Rotation」で、取り込んだあとならレベルに置いたアクターのTransform(Location・Rotation・Scale)で直します。どちらもエラーではなく、元のデータの大きさや向きによるものです。
- 大きさ:既にあるキャラクターや床と並べ、相対的に合わせます。同じGLBを何度も取り込むなら、Offset Uniform Scaleで取り込み時に合わせておくと、置くたびに直す手間が省けます。
- 向き:正面が別の方向を向いているときは、Offset Rotation(Roll・Pitch・Yaw)か、置いたあとのRotationで回します。
- 当たり判定:ゲームの中でぶつかる物にするなら、取り込むときにStatic MeshesのCollisionにある「Import Collision」をオンにします。公式の参照ページでは、当たり判定が無いときは作ると説明されています。
- 面の多さ:AIで作った3Dモデルは、リアルタイムの表示の基準では面が多めになることがあります。同じモデルをたくさん並べるなら、Static Meshを開いて「Nanite Settings」の「Enable Nanite Support」をオンにする方法があります。Naniteは、細かい形を多く描くためのUnreal Engineの仕組みです(出典: Epic Games公式ドキュメント「Nanite Virtualized Geometry」、UE5.8、2026年11月7日確認)。面の数の考え方はポリゴン数とはで説明しています。
Unity・Godotとの違いは?
3つのエンジンのうち、GLBを追加なしで取り込めるのはUnreal EngineとGodotで、Unityは公式パッケージのglTFastを足す必要があります。どのエンジンでも、骨の無いGLBは動きのない形として入る点は同じです。
| 比べること | Unreal Engine | Unity | Godot |
|---|---|---|---|
| GLBを標準で取り込めるか | 取り込める(ほかのコンテンツと同じ手順) | 標準の形式はFBX・DAE・DXF・OBJで、GLBは含まれない | 取り込める(glTF 2.0が推奨の形式) |
| 追加するもの | なし | 公式パッケージglTFast | なし |
| 取り込みの操作 | Content Browserへドラッグし、ダイアログで設定 | Assetsフォルダへコピー | プロジェクトのフォルダへコピー |
| 入る形 | Static Mesh・マテリアル・テクスチャのアセット | プレハブ(Scenes・Meshes・Materials・Textures) | Godotのシーン |
| 詳しい手順 | この記事 | UnityでGLBを取り込む方法 | GodotでGLBを読み込む方法 |
出典: Unity Manual「Model file formats」(Unity 6.6)、Unity glTFast「Installation」(6.20.0)、Godot Docs「Available 3D formats」(Godot 4.7)。いずれも2026年11月7日確認。
どれが優れているかではなく、すでに使っているエンジンに合わせるのが手間の少ない選び方です。まだ決めていないなら、試しに1体を取り込み、表示と重さを自分の目で確かめてから決めても遅くありません。
よくある質問
Unreal EngineでGLBを取り込むのに、プラグインは要りますか?
公式ドキュメント(UE5.8)は、glTFはほかの種類のコンテンツと同じ方法で取り込むと案内しており、追加のプラグインを入れる手順は書かれていません。Content BrowserにGLBをドラッグ&ドロップすると、「Interchange Pipeline Configuration(Import Content)」のダイアログが開きます。
Figmeeで作ったキャラクターのGLBを、ゲームの中で歩かせられますか?
そのままではできません。FigmeeのGLBには骨(ボーン)が入っておらず、リギングもされていないので、Unreal EngineではStatic Meshとして入ります。置く・回す・光を当てる・当たり判定を付けることはすぐにできますが、歩かせるには骨を入れて重みを付けるリギングが別に要ります。
Figmeeの3MFはUnreal Engineで使えますか?
Figmeeの3MFは3Dプリント向けのデータで、いちばん長い辺が80mmになる大きさで作られます。公式の参照ページでレベルへ取り込める形式として挙がっているのはFBX・glTF・GLB・MaterialXなので、Unreal EngineにはGLBを使います。作品の画面の「保存」から、追加のトークンなしで保存できます。
まとめ
Unreal Engineでは、GLBをContent Browserへドラッグ&ドロップし、Interchangeのダイアログで設定を確かめて「Import」を押せば取り込めます。骨の無いGLBはStatic Meshとして入るので、飾りのオブジェクト・背景・展示にはすぐ使えますが、動かすにはリギングが別に要ります。FigmeeのGLBは金属らしさが高めなので、光りすぎたら自作のマテリアルに替えるかBlenderで直し、色が入らないときはテクスチャの取り込みと画像の形式を確かめます。大きさと向きは取り込み時のOffsetか、置いたあとのTransformで合わせます。




