自作キャラを自宅の3Dプリンターで印刷するには、まず絵から3Dモデルを作り、3Dプリント用の形式(3MF)で保存します。次にスライサーで大きさ・向き・サポートを整え、プリンター用のG-codeに変換します。 Figmeeを使えば、3Dモデルの生成と3MFの保存はブラウザだけで行えます。3Dモデルの生成はアカウントにつき初回1体まで無料で、3MFの保存に追加のトークンはかかりません。
この記事では、自分に権利があるオリジナルキャラクターの絵をもとに、家庭用の3Dプリンターで印刷するための準備を説明します。印刷できるかどうかや仕上がりは、モデルの形や材料、プリンターとスライサーの設定によって変わります。そのため、絵の準備からスライサーでの調整までの手順と、うまくいかないときの確認点を中心にまとめています。
※現在のFigmeeは、描いた絵やイラストからフィギュア風画像と3Dモデルデータ(GLBと3MF)を生成・ダウンロードできるサービスです。Figmeeが印刷して届ける実物の3Dプリントの注文は準備中(Coming Soon)で、始まった場合もお届けは日本国内のみです。この記事で扱うのは、保存した3MFをご自身の3Dプリンターで使う場合の準備です。
自宅の3Dプリンターで印刷するには、何を用意すればいい?
用意するのは、描いた絵・Figmeeのアカウント・お使いのプリンターに対応したスライサーソフト・3Dプリンターとフィラメントの4つです。Figmeeで3Dモデルを作る段階では、3Dモデリングのソフトや知識は要りません。印刷に向けて形を直すときは、Blenderなどの3Dソフトを使うことがあります。
| 用意するもの | 内容 | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 描いた絵 | 自分で描いたキャラクターの絵(PNG・JPEG・WebP、1枚20MBまで)。紙の絵は撮影・スキャンした画像で使えます | — |
| Figmeeのアカウント | メールアドレスかGoogleアカウントで登録します | 登録に約1分 |
| スライサーソフト | 3MFを読み込み、印刷の指示(G-code)に変換するソフト。Bambu Studio・PrusaSlicer・UltiMaker Cura・OrcaSlicerなど | 初回のみ10〜20分 |
| 3Dプリンターとフィラメント | お手持ちのもの。この記事は家庭用のFDM(フィラメントを溶かして積む方式)を想定しています | — |
なお、Figmeeが3Dにできるのは、描いた絵(紙の絵を撮影・スキャンした画像を含む)とデジタルのイラストだけです。実在の人物・動物・物・風景を撮った写真や、写真のように見える画像からは、3Dモデルを生成できません。
ステップ1:描いた絵からFigmeeで3Dモデルを作る(目安10分)
Figmeeに絵をアップロードすると、まずフィギュア風画像ができ、そこから3Dモデルを生成できます。印刷が目的なら、絵を選ぶときに次の2点を意識すると、あとの工程が楽になります。
- キャラクターが正面向きで大きく描かれ、輪郭がはっきりしている絵を選びます。細すぎる線や小さな文字は、3Dになると再現しきれないことがあります。
- 髪の先・指・持ち物のように細く突き出た部分は、印刷すると折れやすい箇所になります。印刷を前提にするなら、細い飾りの少ない絵のほうが扱いやすくなります。
絵を決めたら、次の順で進めます。
- Figmeeのワークスペースで絵をアップロードし、フィギュア風画像を生成します(登録特典の無料分は、標準の品質で5回分・登録から3か月有効)。
- 気に入った画像から3Dモデルを生成します。完成するとブラウザで360°回して確かめられます。
画面の操作はFigmeeの使い方ガイドに、絵の選び方はイラストを3D化する方法の完全ガイドにまとめています。料金は下の「2体目からの費用はいくら?」をご覧ください。
ステップ2:3Dプリント用データ(3MF)を保存する(目安1分)
いま3Dモデルを作ると、GLBと3MFの両方を保存できます。印刷に使うのは3MFです。
- 画面上部のメニューの「ギャラリー」から「作品」を開き、3Dモデルを生成した作品を選びます。
- 作品の画面で「保存」を押します。
- 「3Dプリント用データ(3MF)」を選びます。3MFがまだ用意されていない作品では選んだときに作るため、保存が始まるまで少し時間がかかることがあります。
Figmeeが書き出す3MFは、次の状態になっています。
| 項目 | Figmeeの3MF |
|---|---|
| ファイル | 形と色の情報をまとめた1つの.3mfファイル |
| 大きさ | いちばん長い辺が80mm。印刷に向いた大きさとは限らないので、スライサーで拡大・縮小します |
| 向き | 3Dモデルの上下のまま、いちばん下が造形台に接する向き。印刷に向いた向きとは限らず、以前に作った作品では横に寝た向きで開くこともあるので、スライサーで確かめます |
| 色 | 色(テクスチャ)の情報を含みます。印刷での扱いは下の「色はどうなる?」で説明します |
| 保存の回数 | 同じ作品の画面から何度でも保存できます。追加のトークンはかかりません |
GLBは、Blenderなどの3Dソフトで形を整えたいときに使います。2つの形式の違いと使い道はGLBを3MFに変換する方法と、ヘルプの3Dモデルのダウンロード(GLB・3MF)で詳しく整理しています。
ステップ3:スライサーで大きさ・向き・サポートを整える(目安10〜20分)
保存した3MFをスライサーに読み込み、大きさ → 向き → サポート → 印刷設定の順に決めます。スライサーの操作が初めての方は、3MFファイルを自宅3Dプリンタで印刷する準備もご覧ください。レイヤー高さ・インフィルなどの設定の意味をまとめています。
- 読み込みます。 スライサーに3MFをドラッグ&ドロップするか、「開く」や「インポート」から読み込みます。主要なスライサー(PrusaSlicer・UltiMaker Cura・Bambu Studio・OrcaSlicer)はいずれも3MFに対応しています。
- 大きさを決めます。 読み込んだ時点の縦・横・奥行きの寸法(mm)を確かめ、作りたい大きさに合わせて拡大・縮小します。Figmeeの3MFはいちばん長い辺が80mmになるように作られますが、これが印刷に向いた大きさとは限りません。プリンターの造形範囲に収まるか、スライスしたあとも細い部分が残っているかを確かめます。小さくするほど、指や髪のような細い部分はつぶれたり折れたりしやすくなります。
- 向きと接地を決めます。 造形台にどう接しているかを見ます。横に寝た向きで開いたときはスライサーで回転して立てますが、立った向きが印刷に向いているとは限りません。接地面や張り出した部分を確かめ、サポートの付き方も見ながら向きを決めます。接地面が小さいときは、ブリムやラフトなど、造形台への定着を補う設定も検討します。
- サポートが必要な所を確かめます。 サポートは、張り出した部分などを印刷中に支える補助の構造で、必要かどうかはモデルの形や向き、プリンターの設定によって変わります。腕の下やあごの下、髪の先、持ち物などが候補です。必要に応じてスライサーのサポートを有効にし、スライス後のプレビューで付き方を確かめます。顔など目立つ所に跡を残したくないときは、向きも見直します。
- 印刷設定を決めてスライスします。 お使いのプリンター・ノズル径・フィラメントに合う設定を選び、レイヤー高さ・インフィル・壁の厚みを調整してスライスします。プレビューで造形の様子と推定時間・材料量を確かめたら、G-codeを書き出すか、プリンターへ送ります。
色はどうなる?単色のフィラメントで印刷したときの見え方
Figmeeの3MFには色(テクスチャ)の情報が含まれますが、それだけで元の絵と同じ色に印刷できるとは限りません。1色のフィラメントだけで印刷する場合、仕上がりはそのフィラメントの色になります。色を付ける方法は、次の3つがあります。
- 単色で印刷して、塗装で仕上げる。 印刷後に、必要に応じて表面を整えてから塗装します。
- 多色印刷に対応したプリンターで、スライサーから使う色を指定する。 使える色数や色分けの方法は、プリンターとスライサーによって異なり、絵の色をそのまま再現するものではありません。
- フルカラーに対応した外部の出力サービスに3MFを入稿する。 色のまま出力したい場合の選択肢で、サービスの対応形式と最小肉厚の確認が必要です。素材ごとの違いはイラスト由来の3Dプリントに向く素材に、入稿前の確認点はイラストを3Dプリントするには?データ化・厚み・素材選びの基本にまとめています。
3MFの色の情報をスライサーがどこまで表示・使用できるかは、ソフトと版によって異なります。お使いのスライサーの案内もあわせて確認してください。
うまくいかないときに確かめる4つの点
スライサーで警告が出る、印刷が途中で崩れる、といったときは、次の4点を順に確かめます。
| 症状 | 確かめること | 対処 |
|---|---|---|
| 横に寝た向きなど、意図しない向きで開く | 向きと接地 | スライサーで回転し、接地面とサポートの付き方を見ながら向きを決めます |
| 極端に小さい・大きい | 単位と大きさ | 単位がmmになっているか、寸法の数値が意図どおりかを確かめ、拡大・縮小し直します |
| 面が閉じていないという警告が出る | メッシュの穴・裏返った面 | スライサーの修復機能を試します。直らないときはGLBをBlenderで開いて整えます |
| 細い部分が印刷中に折れる・つぶれる | 細い部分の太さ | 全体を大きくするか、GLBをBlenderで開いて細い部分を太らせます |
GLBをBlenderで開いて整える手順は、Figmeeで試作 → Blenderで作り込む完全ガイドとBlenderのリメッシュとテクスチャ編集の基本で解説しています。
2体目からの費用はいくら?
3Dモデルの生成は初回1体が無料で、2体目からは1体5トークンです。トークンは550円で5つ購入でき、購入したトークンは最後の購入日から3か月有効です。フィギュア風画像の生成は1回1〜3トークン(品質の選び方で変わります)で、登録特典の無料分は標準の品質で5回分(登録から3か月有効)です。生成に失敗したときは、画像・3Dモデルとも使ったトークン(無料枠のときは無料枠)が自動で戻ります。3MFとGLBの保存に、トークンはかかりません。料金の全体はFigmeeの料金プラン解説をご覧ください。
よくある質問
Q. STLで保存できますか? A. Figmeeで保存できる形式はGLBと3MFの2つで、STLでは保存できません。STLしか受け付けないソフトを使う場合は、BlenderでGLBを開いてSTLで書き出します。STLは色の情報を持てないため、変換すると色は失われます。手順はGLBをSTLに変換する方法にまとめています。
Q. 好きな作品のキャラクターを描いた絵でも印刷してよいですか? A. この記事は、自分に権利がある自作キャラを前提にしています。ほかの人の作品のキャラクターを立体にすることは、原則として権利者の許諾が必要な領域で、作品ごとの二次創作ガイドラインが立体物をどう扱っているかを確かめます。考え方は二次創作・ファンアートの3Dモデル化と著作権をご覧ください。
Q. Figmeeに印刷を頼むことはできますか? A. Figmeeが印刷して届けるサービスは準備中(Coming Soon)で、いまは注文できません。始まった場合も、お届けは日本国内のみです。保存した3MFは、ご自身の3Dプリンターか、3MFを受け付けている外部の出力サービスでお使いください。
まとめ
自作キャラを自宅の3Dプリンターで印刷する準備は、Figmeeで絵から3Dモデルを作る → 3MFを保存する → スライサーで大きさ・向き・サポートを整えてスライスする、という3段階です。Figmeeの3MFは、いちばん長い辺が80mmで、色の情報を含みます。いま作る3MFは元の3Dモデルの上下を保って書き出されますが、2026年10月25日より前に作られた3MFは横向きで開くことがあります。これらは書き出し時の基準で、印刷に向いた大きさや向きとは限らないので、読み込んだら大きさ・向き・サポート・細い部分を確かめます。単色のフィラメントでは仕上がりはフィラメントの色になるため、色は塗装か、多色印刷や対応する出力サービスで考えます。仕上がりはモデルの形とプリンター・設定で変わるので、まずは1体、スライサーのプレビューで細い部分とサポートの付き方を確かめてから印刷してみてください。




