Tripo(Tripo AI)は、VASTが開発した、テキストや画像から3Dモデルを作るAIツールです。ブラウザで使う「Tripo Studio」に画像をアップロードして生成すると、表面の色(テクスチャ)が付いた3Dモデルができ、GLB・USD・FBX・OBJ・STL・3MFの6つの形式で書き出せます。
この記事では、Tripoでできることと使い方の手順を、公式サイトとヘルプセンターの情報(2026年9月28日に確認)で整理します。あわせて、自分で描いたイラストを入れるときに起きやすいこと、入れる前に確かめたい規約、3Dの設定に慣れていない人が別の方法を選ぶときの目安もまとめます。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。
Tripoでできること
公式サイトの「画像から3Dモデル」のページと、ヘルプセンターの「Tripoにはどのような機能がありますか?」で案内されている主な機能を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作り方 | テキストから3D、画像1枚から3D、複数の視点の画像(2〜4枚)から3D |
| 入れられる画像 | JPG・PNG・WEBP。写真、デジタルイラスト、スケッチ、AIで作ったコンセプトアート |
| 生成の方式 | 細部を重視する「高精細モデル(High Detail Model)」と、面の数を抑えた整ったメッシュを作る「スマートメッシュ(Smart Mesh)」 |
| 生成後の仕上げ | テクスチャの生成、パーツ分割、リトポロジー、人型・クリーチャーの自動リギングとアニメーション |
| 書き出せる形式 | GLB・USD・FBX・OBJ・STL・3MF |
| 使う場所 | ブラウザ(Tripo Studio。インストール不要)、開発者向けのAPI、Blender・Unity・Unreal Engineなどのプラグイン |
2026年9月時点の公式サイトでは、高精細モデルの最新版として「Tripo H3.1」(2026年3月発表)、スマートメッシュの新しい版として「Tripo P2.0」(2026年8月発表)が案内されています。H3.1は最大200万ポリゴンの細かな形を作る方式、P2.0はゲームやアニメーション向けに面の数を指定して作る方式です。
3D制作向けの画像生成の機能もあり、3Dにする前の画像をTripoの中で作ることもできます。公式サイト、ヘルプセンター、Tripo Studioには日本語の表示があります。
Tripoの使い方(画像から3Dモデルを作る手順)
ヘルプセンターの「Tripoの使い方は?」と、Tripo P2.0の発表記事で案内されている流れです。画面の表記は更新で変わることがあります。
- Tripo Studioを開いて登録・ログインする:ブラウザでTripo Studioを開きます。ソフトのインストールは要りません。
- 作り方と方式を選ぶ:3Dワークスペースで、画像から作る「Image-to-3D」を選びます。細部を重視するなら高精細モデル、面の数を抑えたいならスマートメッシュを選びます。
- 画像をアップロードして生成する:画像を1枚、または前・左・右・後ろの画像を最大4枚アップロードして「Generate」を押します。ヘルプセンターでは、生成にかかる時間は形の複雑さによって10秒〜2分ほどと案内されています。
- 必要に応じて仕上げる:Segment(パーツ分割)、Retopo(リトポロジー)、Texture(テクスチャ)、Animate(リギングとアニメーション)で整えます。どれも任意で、どの段階でも書き出せます。
- 回して確かめ、書き出す:プレビューで形を確かめ、用途に合う形式でダウンロードします。ヘルプセンターでは、WebやAR/VRにはGLB、ゲームや3DアニメーションのソフトにはFBX、3DプリントにはSTLや3MFが案内されています。
画面には3Dの用語がいくつか出てきます。迷いやすいものを短くまとめました。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| テクスチャ | 3Dモデルの表面に貼る色や模様の画像 |
| PBR | 色・凹凸・金属らしさ・ざらつきを分けて持たせ、光の当たり方で質感が変わるようにする方式 |
| ポリゴン数 | 立体の形を作る面の数。多いほど細かくなり、データは重くなる |
| リトポロジー | 面の並び(メッシュ)を、編集したり動かしたりしやすい形に張り直すこと |
| パーツ分割 | モデルを頭・体・小物などの部品に分けること |
| リギング | 3Dモデルを動かすための骨組みを入れること |
公式のよくある質問では、背景がすっきりしていて、はっきり照らされた被写体が1つだけの画像がいちばん良い形になると案内されています。背景が入り組んでいる、被写体が複数ある、ぶれている、極端なパースがついている画像は精度が下がり、アップロードの前に被写体だけを切り出すと、たいていは解決するとされています。
イラストを入れるときに起きやすいこと
Tripoは写真・イラスト・スケッチのどれも受け付けますが、手描きのイラストには写真とは違う難しさがあります。ここで挙げるのはTripoに限らず、画像から3Dを作るAIの多くに共通する点です。
描かれていない背面や側面は推定で補われる
画像1枚から作るとき、AIは奥行きや体積を推定して形を組み立てます。Tripoの公式のよくある質問でも、1枚の場合は奥行き・体積・面の向きを推定し、複数の視点の画像を与えた場合は実際の形から組み立てると説明されています。正面しか描いていないキャラの後頭部や背中は、意図と違う形になる場合があります。
背中側のデザインが大事なキャラなら、後ろ姿を1枚描き足して、前と後ろの2枚で試す方法があります。公式のよくある質問では、4枚すべてがそろっていなくても、前と後ろの2枚で形が大きく改善するとされています。前と後ろで頭の高さや体の幅をそろえて描くと、2枚を同じキャラとして扱いやすくなると考えられます。なお、公式のよくある質問では、複数の視点の入力は有料プラン向けと案内されています(2026年9月時点)。
平坦な塗りは、立体の手がかりが少ない
アニメ塗りのようにベタ塗りと少ない影で描いた絵は、写真に比べて凹凸を示す陰影が少なく、AIが奥行きを読み取りにくくなります。2025年4月に公開された論文「Art3D」も、既存の画像から3Dを作る手法の多くは、手描きのような平坦な塗りの画像だと立体らしく見せる手がかりが足りず、もっともらしい3Dを作りにくいと指摘しています(出典: Art3D: Training-Free 3D Generation from Flat-Colored Illustration)。
細い線や薄いパーツは、太くなったり省かれたりしやすい
髪の毛先、アクセサリーの鎖、細い武器のように細く飛び出した部分は、立体にすると途中で途切れたり、周りとくっついたりする場合があります。イラストの主線(輪郭線)は、立体では形の境目ではなく表面の色として残る場合があり、角度を変えると線が途切れて見えることがあります。
入れる前に整えておきたいこと
- 背景を消して、キャラ1体だけを切り出す
- 正面に近い向きで、全身が収まる絵を使う
- 腕や髪が体に大きく重なる構図は避ける
- 背中側が大事なら、後ろ姿の絵も用意する
入力画像の整え方はAI 3D生成のコツ — 品質を上げる入力画像の作り方7選、AIでも難しいケースはイラストが3D化できないと言われる理由で詳しく解説しています。
Tripoが向いている人・ほかの方法も考えたい人
Tripoは、生成の方式・面の数・仕上げの機能を自分で選べるのが特長です。その分、向いている使い方がはっきりしています。
Tripoが向いている人
- ゲームやアプリ、映像の素材を作り、FBXやUSDなどの形式で書き出したい人
- 骨組みを入れて動かす(リギング・アニメーション)ところまで、同じツールで進めたい人
- ポリゴン数やメッシュの種類を、用途に合わせて選びたい人
- 前・横・後ろの資料画像がそろっていて、複数の視点から形を組みたい人
- 3Dプリント用にSTLや3MFで書き出したい人
ほかの方法も考えたい人
- 生成の方式やポリゴン数などの設定を選ばずに、描いたキャラが立体になった姿をまず確かめたい人
- 発表前のキャラクターのデザインを、無料のまま公開されない形で扱いたい人(無料で使う場合の扱いは、下の「入れる前に確かめたい権利と規約」を参照)
イラスト向けの別の方法:フィギュア風画像を経由して3Dにする
3Dの設定を自分で選ぶより、描いたキャラが立体になった姿を先に確かめたい場合は、イラストを3Dにする手順に絞ったサービスを使う方法もあります。Figmeeは、描いたイラストをまず「フィギュア風画像」(キャラを立体物として撮ったような1枚)に変換し、その画像に納得してから3Dモデルを作る2段階の流れです。途中で選ぶのは画像の品質(標準・Pro・Max)だけで、ポリゴン数やメッシュの種類を選ぶ場面はありません。
- イラストを用意する:紙に描いた絵を撮影・スキャンした画像か、デジタルで描いたイラストを使います。形式はPNG・JPEG・WebPで、1枚20MBまでです。実在の人物・動物・物・風景を撮った写真は対象外です。
- アップロードして品質を選び、生成する:「標準」「Pro」「Max」から品質を選んで「3D画像を生成」を押すと、フィギュア風画像ができます。所要時間は通常2〜3分ほどです。
- 仕上がりを確かめる:線の雰囲気や配色、キャラの特徴が残っているかを見ます。イメージと違うときは、再生成するか、別の1枚で試します。
- 3Dモデルを生成する:画像に納得できたら「3Dモデルを生成」を押します。生成には数分かかり、できた3Dモデルはブラウザ上で360°回して確かめられます。
- 保存・共有する:作品の画面の「保存」から「3Dモデル(GLB)」か「3Dプリント用データ(3MF)」を選んで保存できます。「360°動画を作る」から、3Dモデルが約6秒で2回転する正方形の動画も書き出せます。
料金は、登録特典で無料トークンが5つ付与され(登録から3か月有効・同じメールアドレスでの初回登録時のみ)、フィギュア風画像の生成は品質に応じて1〜3トークン、3Dモデルの生成は5トークンです。3Dモデルはアカウントにつき初回1体が無料です。追加のトークンは550円で5つ購入できます。データの保存と回転動画の書き出しにトークンは使いません。
TripoとFigmeeの違いを、それぞれの公式情報で比べると次のとおりです。
| 比べる点 | Tripo | Figmee |
|---|---|---|
| 入れられるもの | テキスト、画像(写真・イラスト・スケッチ)、複数の視点の画像 | 描いたイラスト(写真は対象外) |
| 3Dにするまでの流れ | 画像から3Dモデルを生成(3D制作向けの画像生成の機能もある) | イラスト → フィギュア風画像 → 3Dモデルの2段階 |
| 自分で選ぶ設定 | 生成の方式、ポリゴン数、テクスチャ、パーツ分割など | 画像の品質(標準・Pro・Max) |
| 書き出せる形式 | GLB・USD・FBX・OBJ・STL・3MF | GLB・3MF |
| リギング・アニメーション | 人型・クリーチャーの自動リギングがある | 対応していない |
Figmeeの3Dモデルは形と色のデータで、骨組みを入れて動かすリギングやVRMには対応していません。ゲームのキャラとして動かしたい、FBXで書き出したいといった用途には、Tripoのように形式や仕上げの機能が多いツールが合っています。描いたキャラの立体の姿を確かめたい、回転動画でSNSに載せたいという用途なら、Figmeeでも進められます。
イラストを3Dにする全体の流れはイラストを3D化する方法の全体ガイド、画像で終わらせず3Dモデルまで作る2段階の考え方は画像から3Dモデルまで作る方法で解説しています。
入れる前に確かめたい権利と規約
Tripoの利用規約(Terms of User Agreement、2025年7月11日更新)の5.2は、無料で使う人と有料プランで使う人とで、入力(アップロードした画像など)と生成物の権利を分けて定めています。
| 使い方 | 入力と生成物の扱い |
|---|---|
| 無料で使う場合 | Tripoが、入力と生成物を利用・複製・改変・公開・配布・ライセンスするなどの権利と、そこから生じる知的財産権を持つと定められています(5.2.1)。公式のよくある質問では、無料プランのモデルは公開され、CC BY 4.0ライセンスが適用されると説明されています |
| 有料プランの場合 | サービスの提供に必要な範囲でTripoが利用・表示することを認めるなどの条件のもとで、利用者が入力と生成物について原則としてすべての権利を持ち、Tripoは入力と生成物をAIの学習データに使わないと定められています(5.2.2)。公式のよくある質問では、モデルは非公開で、商用利用が認められると説明されています |
どちらの場合も、生成物をVASTの製品・サービスと直接競合するものの開発に使うことは禁止されており、入れる素材の著作権の状態は利用者の責任とされています。まだ発表していないキャラクターのデザインや、依頼を受けて描いたイラストのように、公開や再利用を想定していない絵を入れる場合は、無料と有料のどちらで使うかを決める前に、規約の原文を確かめてください。
参考までに、Figmeeでは、アップロードした画像を3D画像・3Dモデルを作るためだけに使い、AIの学習には使いません。作品を自分で公開した場合を除き、第三者に公開することもありません(詳しくはアップロードできる画像と権利について)。
どのサービスでも、入れてよいのは自分で描いた絵か、権利を持つ人から使う許可を得た画像です。版権キャラクターや他の人が描いたイラストを3Dにして公開・販売すると、権利の侵害になるおそれがあります。安心して試せるのは、自分が権利を持つオリジナルキャラです。生成AIで作った3Dモデルの商用利用の考え方は3Dモデル生成AIの商用利用はできる?で整理しています。
よくある質問
Tripoは無料で使えますか?
公式サイトによると無料プランがあり、テキストや画像からの3Dモデル生成を試せます。回数などの条件は変わることがあるため、公式の料金ページで確かめてください。無料で作ったモデルは公開され、CC BY 4.0ライセンスが適用されると公式のよくある質問で説明されているので、公開したくない絵を入れる前には規約も確かめてください。
Tripoは日本語で使えますか?
公式サイト、ヘルプセンター、Tripo Studioには日本語の表示があります。ただし、日本語のヘルプの手順でも「Generate」「Segment」「Retopo」のように、ボタンや機能の名前は英語のまま書かれています。
Tripoで作った3Dモデルは3Dプリントできますか?
公式のよくある質問では、STLか3MFで書き出せば印刷の準備ができると案内されています。あわせて、とくに非常に薄い形や張り出しの大きい形がある場合は、印刷の前にスライサーソフトで確かめるよう勧められています。なお、Figmeeでの実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)で、いまは注文できません。Figmeeで保存できる3MFは、自分の3Dプリンターや3MFを受け付けている出力サービスで使うためのデータです。
手描きのラフや線画でも3Dにできますか?
Tripoは画像からの生成でスケッチも受け付けています。ただし、塗りの少ない線画は立体の手がかりが少ないため、形が薄くなったり、背面が意図と違ったりする場合があります。Figmeeでも紙に描いた絵を撮影した画像を使えます。薄い鉛筆の線だけの絵は、線の濃さを補ってから取り込むと安定しやすくなります。
作ったキャラに骨組みを入れて動かせますか?
Tripoには、人型やクリーチャーのモデルに骨組みを入れる自動リギングと、アニメーションの機能があります。Figmeeの3Dモデルはリギングに対応していないため、動かす用途ではTripoのようなツールや3Dソフトを使います。GLBファイルの中身と開き方はGLBファイルとは?、3Dソフトで形や色を整える基本はBlenderのリメッシュとテクスチャ編集の基本にまとめています。
まとめ
Tripoは、テキストや画像から3Dモデルを作り、パーツ分割・リトポロジー・リギングまで進めて、6つの形式で書き出せるAIツールです。ゲームやアニメーションの素材を作る人、形式や面の数を自分で選びたい人には、その機能の幅が役立ちます。
自作キャラのイラストを入れるときは、描かれていない背面が推定になること、平坦な塗りや細い線が崩れやすいことを知ったうえで、背景を消した1体の絵や、前と後ろの2枚で試すと結果を判断しやすくなります。無料で使う場合の生成物の扱いも、入れる前に規約で確かめておきましょう。
3Dの設定を選ばずに、描いたキャラが立体になった姿を確かめたい場合は、フィギュア風画像を経由するFigmeeのような方法もあります。ほかのツールとの違いは画像から3Dモデルを作るAIツール比較で比べられます。
参考にした情報(2026年9月28日に確認)
- Tripo公式サイト「画像から3Dモデル」(機能・よくある質問)
- Tripoヘルプセンター「Tripoとは何ですか?」「Tripoにはどのような機能がありますか?」「Tripoの使い方は?」「どのような3Dファイル形式に対応していますか?」
- Tripo利用規約「Terms of User Agreement」(2025年7月11日更新)
- Tripo公式ブログ「Introducing Tripo H3.1」(2026年3月6日)、「Tripo P2.0 Official」(2026年8月19日)
- Art3D: Training-Free 3D Generation from Flat-Colored Illustration(arXiv、2025年4月14日)




