絵をアップロードしたときにAIの学習に使われるかどうかは、サービスごとに違い、そのサービスの利用規約とプライバシーポリシーに書かれています。アップロードする前に、①学習に使われないか、②どこまで公開されるか、③消したいときに消えるかの3つを規約で確かめれば、その絵を預けてよいかを自分で判断できます。
この記事では、規約のどこを読み、どの語を探せばよいかを、実在するサービスの書き方の例とあわせて整理します。Figmeeについては、利用規約・プライバシーポリシー・ヘルプに書かれていることだけを紹介します。この記事は一般的な情報で、法的な助言ではありません。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。また、写真や写真のように見える画像は3Dにできません(描いた絵が対象です)。
絵をアップロードするとAIの学習に使われる?
答えは「サービスによる」で、決め手はそのサービスの規約の書き方です。同じ「AIと学習」の話でも、規約や公式の説明には、学習に使うと説明しているもの、ほかの人が作品を学習した結果を使って投稿者の利益を害する行為を禁じているもの、預かった作品を生成AIの学習に使わないと書いているものがあります。
実在するサービスの書き方を、公式の説明から並べると次のとおりです(どれも2026年11月7日に公式のページで確認)。
| 書き方の型 | 例 | 公式に書かれていること |
|---|---|---|
| 公開した投稿を学習に使ったと説明している | Meta(Instagram・Facebook) | InstagramとFacebookで公開された投稿(写真と文章を含む)は、生成AIのモデルの学習に使ったデータの一部だと説明しています。非公開の投稿は使っていないとも書いています(出典: Meta「Privacy Matters: Meta's Generative AI Features」、2023年9月27日)。EUに住む大人の公開の投稿については、学習への利用に異議を申し立てるフォームを案内しています(出典: Meta「Making AI Work Harder for Europeans」、2025年4月14日) |
| ほかの人が作品を学習した結果を使い、投稿者の利益を害する行為を規約で禁じている | pixiv | 2023年5月31日の改定で、サービス共通利用規約の第14条(禁止行為)に、投稿された作品を情報解析(AIを開発するための学習を含む)した結果を使い、投稿したユーザーの利益を害すると運営が判断する行為を加えました。投稿したユーザーの許諾がある場合は除かれます(出典: pixiv「AI技術等に関する、サービス共通利用規約、pixivガイドライン改定のお知らせ」) |
| 預かった作品を生成AIの学習に使わないと書いている | Adobe(Creative Cloudなど) | 生成AIのモデルを学習させるために、ユーザーのコンテンツを解析しないと書いています。Adobe Stockに提出したコンテンツは除かれます(出典: Adobe「Adobe Privacy Choices」、2025年6月3日更新) |
pixivの例のように、規約で禁じているのが「ほかの利用者が作品を学習(情報解析)した結果を使い、投稿者の利益を害する行為」で、サービス自身の扱いとは別の話の場合もあります。Adobeの例も、使わないと書いているのは生成AIのモデルの学習で、それ以外の解析まで含むとは限りません。どの文が誰の行為を決めているのかを、主語まで読むのがこつです。
規約で探す語と、Figmeeの場合
3つの確認項目と、規約で探す語を表にまとめました。「Figmeeの場合」の列は、Figmeeの利用規約(最終更新日: 2026年7月25日)・プライバシーポリシー(最終更新日: 2026年4月4日)・ヘルプの文言です。
| 確認項目 | 規約で探す語 | はっきりしている書き方の例 | Figmeeの場合 |
|---|---|---|---|
| ①学習 | 学習、トレーニング、機械学習、AIモデル、サービスの改善、ライセンス | 何(アップロードした画像など)を学習に使うか使わないかを書いている | 利用規約の第6条「当社は、ユーザーの画像をAIモデルのトレーニングに使用せず(以下略)」 |
| ①の続き:外部への送信 | 委託、外部のサービス、送信、第三者 | どんな種類の送り先に、何のために送るか | プライバシーポリシーの「4. 画像データの取り扱い」に「外部の委託先サービスに送信されます」 |
| ②公開範囲 | 公開、共有、第三者、販売、貸与、表示 | 既定では公開されず、本人が公開したときだけ見られる | 利用規約の第6条「第三者に販売・貸与・公開することもありません(ユーザー自身がシェア機能で公開設定した場合を除く)」 |
| ③削除 | 削除、退会、保持期間、保存、消去 | いつ、何が消えるか | プライバシーポリシーの「10. データの保持期間」に「アカウント削除時まで(削除時に完全消去)」 |
確かめること①:学習に使われないか?
規約とプライバシーポリシーの中で「学習」「トレーニング」「機械学習」を探し、アップロードした絵が対象に入っているかを読みます。語が見つからないときは、「サービスの改善」「ライセンス(利用許諾)」の条項と、外部への送信の条項を読みます。書いていないことは、使わないという意味にはなりません。
- 「学習に使用しません」が見つかったら:対象を確かめます。「アップロードした画像」なのか「投稿したすべての内容」なのかで、守られる範囲が変わります。
- 「サービスの改善のために利用します」とだけあるとき:改善に学習が含まれるかは、その文だけでは読み取れません。気になるなら、問い合わせて確かめてから預けます。
- 「ライセンスを付与する」の条項があるとき:サービスを動かすのに必要な範囲(保存・表示・変換)に限っているか、それより広い使い方(新しいサービスの開発など)まで含んでいるかを読みます。
- 外部のAIに送ると書いてあるとき:生成の処理を外部のサービスに任せているなら、送り先で学習に使われるかどうかが規約やプライバシーポリシーに書かれているかも確かめます。
Figmeeでは、利用規約の第6条(著作権)に「当社は、ユーザーがアップロードした画像を、フィギュア風画像の生成および3Dモデルの生成処理の目的に限り利用します。当社は、ユーザーの画像をAIモデルのトレーニングに使用せず、第三者に販売・貸与・公開することもありません(ユーザー自身がシェア機能で公開設定した場合を除く)」とあります。ヘルプの「画像の権利と使われ方」も、アップロードされた画像を3D画像・3Dモデルを作るためだけに使い、AIの学習には使わないと案内しています。
上の読み方でFigmeeのプライバシーポリシーを開くと、「3. 利用目的」に「サービスの改善、新機能の企画・開発のための統計データの作成」という目的も書かれています。一方で、利用規約の第6条は、ユーザーの画像をAIモデルのトレーニングに使わないと明記しています。
生成には外部のAIサービスを使っていて、そのことはプライバシーポリシーの「4. 画像データの取り扱い」に書かれています。同じ節には「これらの委託先サービスの利用規約により、API経由で送信されたデータがモデルのトレーニングに使用されないことを確認しています」とあります。送り先の国は「5. 業務委託と外国での個人データの取り扱い」に、AIの画像処理は米国、3Dモデルの生成処理は中国と書かれています。
確かめること②:公開範囲はどこまで?
アップロードした絵が、既定で公開されるのか、本人が公開したときだけ見られるのかを確かめます。公開したときに誰が見られるか(リンクを知っている人だけか、一覧に並ぶか)と、元の絵も一緒に出るかも、預ける前に知っておきたい点です。
規約では「公開」「第三者」「販売」「貸与」の語を探します。SNSや投稿サイトのように「投稿=公開」が前提の場では、公開範囲の設定がどこにあるかをヘルプで確かめます。
Figmeeの利用規約の第6条は、ユーザーの画像を第三者に販売・貸与・公開しない(ユーザー自身がシェア機能で公開設定した場合を除く)と定めています。公開するかどうかは作品ごとに自分で決めます。ヘルプの「作品の公開・共有と、公開をやめる方法」によると、公開すると「みんなのギャラリー」に作品が並び、共有リンクのページには作品のタイトル、3Dモデル、アップロードした元のイラスト、作成日が表示されます。プロフィールに表示名を設定していれば、作成者として表示名も出ます。
元のイラストも見られる状態になるので、依頼して描いてもらった絵などは、公開する前に権利を持つ人の条件を確かめてください。依頼した絵を3Dにしてよいかの確かめ方は、依頼したイラストの3D化に許可は要る?にまとめています。公開の手順や、共有リンク・3D共有サイトの違いは3Dモデルをネットで公開する方法で説明しています。
確かめること③:消したいとき消えるか?
作品だけを消せるか、退会したら何が消えるか、データはいつまで保存されるかを、規約とプライバシーポリシーで確かめます。「保持期間」「削除」「退会」の語で探すと見つかります。サービスの外(SNSなど)に出たものは、サービスの削除では消えない点も押さえておきます。
Figmeeでは、作品の画面から、その作品を1つずつ削除できます。削除の前の確認の画面には「元のイラストと生成した3D画像がすべて削除されます。この操作は取り消せません。」と表示されます。削除の直後に表示される通知の「元に戻す」を押せば、その場で取り消せます。
Figmeeのプライバシーポリシーの「10. データの保持期間」には、「アップロード画像・生成画像・3Dモデル: アカウント削除時まで(削除時に完全消去)」とあります。ヘルプの「退会(アカウント削除)と削除されるデータ」によると、退会すると次のデータが削除され、元に戻せません。
- アップロードした画像
- 生成した3D画像と3Dモデル(GLB・3MFのデータを含む)
- プロフィール(表示名・プロフィール画像など)
- トークンの残高と購入履歴
残したい3Dモデルや画像は、退会の前に作品の画面の「保存」から保存しておきます。公開していた作品は、「みんなのギャラリー」と共有リンクのページから見られなくなります(表示が消えるまで時間がかかる場合があります)。
Figmeeではどうなっている?
Figmeeの扱いを、規約・ヘルプに書かれていることだけでまとめると次のとおりです。
| 項目 | 書かれていること | 書かれている場所 |
|---|---|---|
| 著作権 | アップロードした画像の著作権は、アップロードした本人にある | 利用規約の第6条、ヘルプ「画像の権利と使われ方」 |
| 使う目的 | フィギュア風画像と3Dモデルを作るためだけに使う | 利用規約の第6条、ヘルプ「画像の権利と使われ方」 |
| AIの学習 | ユーザーの画像をAIモデルのトレーニングに使わない | 利用規約の第6条 |
| 外部への送信 | 生成のために外部の委託先サービスに送る。委託先の利用規約により、API経由のデータがトレーニングに使われないことを確認している | プライバシーポリシーの「4. 画像データの取り扱い」 |
| 公開 | 本人がシェア機能で公開した場合を除き、第三者に公開しない | 利用規約の第6条 |
| 削除 | アップロード画像・生成画像・3Dモデルはアカウント削除時まで保持し、削除時に消去する | プライバシーポリシーの「10. データの保持期間」、ヘルプ「退会(アカウント削除)と削除されるデータ」 |
| 生成された画像の著作権 | 適用される法律に従う | 利用規約の第6条 |
規約が「AIの学習に使わない」と書いている対象は、アップロードした画像です。生成されたフィギュア風画像や3Dモデルの学習の扱いは、規約・ヘルプに書かれていないため、この記事では断定しません。
Figmeeが向いている人:自分の絵が学習に使われないかを規約で確かめてから、3Dにして角度や立体感を確かめたい人。
Figmeeが向いていない人:絵をどの外部のサービスにも送りたくない人(生成の処理のために、画像は外部の委託先サービスに送られます)、写真を3Dにしたい人(写真は判定で生成が止まり、使ったトークンは自動で戻ります)。
権利の考え方そのもの(3Dにしたときに誰の権利になるか、公開・販売の注意)は、3Dモデルの著作権とAIで作る3Dの安全と著作権で整理しています。商用で使う場合の注意はAIで作った3Dモデルの商用利用ガイドにまとめています。
公開したあとに残りうるものは?
サービスの中で公開をやめても、サービスの外に出たものは自動では消えません。公開する前に、次のものは自分で管理する必要があると知っておきます。
- SNSに投稿した内容:それぞれのSNSで自分で削除します。
- SNSに表示されたリンクのプレビュー:画像やタイトルが、SNS側にしばらく残ることがあります。
- ほかの人が保存した画像やスクリーンショット:サービスからは削除できません。
Figmeeでは、作品の画面の「作品をシェア」の横のスイッチをオフにすると、作品は「みんなのギャラリー」から外れ、共有リンクのページは表示されなくなります。上の3つはFigmeeのヘルプでも、公開をやめても残りうるものとして挙げられています。規約で投稿作品の扱いを制限している場でも、公開した絵を見た人が保存することまでは止めきれないため、「公開してよい絵か」は公開する前に決めておきます。
アップロードする前の5分チェックは?
新しいサービスに絵を預ける前に、次の順で確かめると5分ほどで判断できます。
- 規約とプライバシーポリシーを開く(目安1分):サイトの下の方にあるリンクから開き、最終更新日を控えます。
- 「学習」「トレーニング」で探す(目安1分):ブラウザのページ内検索で語を探し、対象(アップロードした画像か、投稿の全部か)と主語を読みます。見つからなければ「サービスの改善」「ライセンス」も探します。
- 外部への送信を確かめる(目安1分):プライバシーポリシーの「委託」「外部」の項目で、どんな送り先に送るか、送り先での学習の扱いが書かれているかを見ます。
- 公開の既定と範囲を確かめる(目安1分):アップロードしただけで公開されるのか、自分で公開したときだけ見られるのかを、規約とヘルプで確かめます。
- 削除と保持期間を確かめる(目安1分):退会や削除で何が消えるか、いつまで保存されるかを見ます。分からない点が残ったら、預ける絵を「公開してもよい絵」に絞るか、問い合わせて確かめます。
Figmeeで自分の絵から3Dを作る流れは、オリジナルフィギュアの作り方で、粘土や外部の3Dプリントと比べながら紹介しています。3Dモデルの生成は5トークンで、アカウントにつき初回1体は無料です。
よくある質問
Figmeeで作ったフィギュア風画像や3DモデルもAIの学習に使われませんか?
生成されたフィギュア風画像や3Dモデルの学習の扱いは、規約・ヘルプに書かれていません。気になる場合は、お問い合わせから確かめてください(書かれている範囲は、上の「Figmeeではどうなっている?」にまとめています)。
規約に「学習」という語が見つからなければ、安心してよいですか?
書いていないことは、使わないという意味にはなりません。「サービスの改善」「ライセンス(利用許諾)」の条項の範囲と、外部のサービスに送るかどうかも読みます。それでも分からなければ、問い合わせて答えを確かめてから預けます。
公開をやめれば、ネット上から完全に消えますか?
サービスの中の公開ページは消えますが、SNSに投稿した内容、SNSに残るリンクのプレビュー、ほかの人が保存した画像は残りえます。公開したくない絵は、公開する前にもう一度確かめてください。
まとめ
絵をアップロードするとAIの学習に使われるかは、サービスの規約とプライバシーポリシーで決まります。預ける前に、①学習(「学習」「トレーニング」の語と、その対象と主語)、②公開範囲(既定で公開か、本人が公開したときだけか)、③削除(退会で何が消えるか、保持期間)の3つを確かめてください。Figmeeの利用規約は、アップロードした画像をAIモデルのトレーニングに使わず、本人が公開しない限り第三者に公開しないと定めています。規約を読んで納得できたら、自分の絵がどんな3Dになるかを、初回無料の1体で確かめてみてください。




