クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)には、GLB形式の3Dモデルをそのまま読み込めます。「ファイル」メニュー→「読み込み」→「3Dデータ」でGLBを選ぶと3Dレイヤーができ、カメラの角度・大きさ・光の向きを変えながら、下絵や資料として使えます。ただし、骨(ボーン)の入っていないGLBは、3Dデッサン人形のように関節を曲げてポーズを付けることはできません。
この記事では、CLIP STUDIO PAINTの公式マニュアルと公式サポートで2026年11月7日に確かめた内容をもとに、読み込める形式、読み込むときに出る「フォトリアル」と「シンプル」の選び方、自作キャラの3Dを下絵にする手順、うまく表示されないときの直し方、3D素材として登録して使い回す方法を順に説明します。自作キャラの3Dは、Figmeeで描いた絵から作ったGLBを例にします。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。写真や写真のように見える画像は3Dにできません(描いた絵が対象です)。
クリスタはどの3D形式を読み込める?
公式マニュアルの「3Dファイルを読み込む」には、読み込める形式としてcs3c・cs3o・cs3s・FBX・6KT・6KH・LWO・LWS・OBJ・GLB・glTF・VRMが挙がっています(出典: CLIP STUDIO PAINT公式マニュアル「3Dファイルを読み込む」、2026年11月7日確認)。GLBはこの一覧に入っているので、変換せずに読み込めます。3Dプリント向けの3MFは一覧にありません。
| 形式 | クリスタで読み込めるか | Figmeeで保存できるか | メモ |
|---|---|---|---|
| GLB | 読み込める | 保存できる | 形と色(テクスチャ)が1つのファイルに入っている。クリスタにはこれを使う |
| glTF | 読み込める | 保存できない | GLBと同じglTFの仲間。ファイルが分かれている型もある |
| FBX | 読み込める(Androidでは不可) | 保存できない | ノーマルマップの表示に対応 |
| OBJ | 読み込める | 保存できない | 形が中心の昔からある形式 |
| VRM | 読み込める(3Dキャラクターとして入る) | 保存できない | 骨の入った人型のアバター向けの形式。ポーズ素材を使える |
| 3MF | 一覧に無い | 保存できる | 3Dプリント向けの形式。クリスタには使わない |
| cs3c・cs3o・cs3s | 読み込める | 保存できない | CLIP STUDIOの独自形式 |
OSごとの制限として公式マニュアルに書かれているのは、AndroidでFBXを読み込めないことと、タブレットで6KT・6KHを読み込めないことで、GLBは挙がっていません。WindowsとmacOSでは、エクスプローラーやFinderからキャンバスへドラッグ&ドロップしても読み込めます。
版による違いもあります。glTF形式(GLBを含む)の読み込みはVer.1.12.7から対応しています(出典: CLIP STUDIO公式サポート「glTFファイルの読み込みについて教えてください」、2026年11月7日確認)。読み込むときに「フォトリアル」と「シンプル」を選べるのはVer.4.2.0以降です(出典: CLIP STUDIO公式サポート「3Dファイルの読み込み方式について」、2026年11月7日確認)。また、新しく3Dレイヤーを作る機能はPRO・EX向けで、DEBUTでは3Dレイヤーを作れないと書かれています(出典: CLIP STUDIO PAINT公式マニュアル英語版「Importing 3D Files」、2026年11月7日確認)。形式ごとの性格の違いはOBJ・FBX・STL・GLBの違いで比べています。
自作キャラの3Dはどう用意する?
描いた絵が1枚あれば、Blenderなどで一から作らなくても、Figmeeでその絵から3Dモデルを作り、GLBで保存できます。GLBは形と色(テクスチャ)を1つにまとめたファイルなので、クリスタに読み込むときに色の画像を別に用意する必要はありません。
- 絵をアップロードする(目安1分):PNG・JPEG・WebPの画像を、1枚20MBまでアップロードできます。紙に描いた絵を撮影・スキャンした画像も使えます。
- フィギュア風画像を作る(目安2〜3分):画質は標準・Pro・Maxから選び、1・2・3トークンを使います。3Dモデルはこの画像をもとに作られるので、顔や服の形が自分の絵とずれていたら、この段階で作り直します。
- 3Dモデルを作る(目安数分):5トークンを使います。アカウントにつき最初の1体は無料です。生成に失敗したときはトークンが自動で戻ります。
- ビューアで回して確かめる(目安2分):ドラッグで360°回せて、見上げる・見下ろす角度にも回せます。顔のアップまで寄れるので、クリスタで使いたい角度で崩れが無いかを先に見ておきます。
- GLBを保存する(目安30秒):画面上部のメニューの「ギャラリー」から「作品」を開き、作品を選んで「保存」→「3Dモデル(GLB)」を選びます。保存に追加のトークンはかかりません。
Figmeeに入れる絵は1枚だけで、描いていない側(後ろ・横)はAIが補います。後ろ姿や細部が自分の設定と同じになるとは限らないので、クリスタでは「形を確かめる資料」として使い、設定画と違うところは自分の絵を優先します。どんな絵が3Dに向くかはイラストを3D化する方法の全体ガイド、GLBの中身はGLBファイルとはで説明しています。
GLBをクリスタに読み込む手順は?
3Dではないレイヤーを選んでから「ファイル」メニュー→「読み込み」→「3Dデータ」でGLBを開き、出てきた「3Dファイル読み込み」ダイアログで「フォトリアル」か「シンプル」を選びます。位置と大きさを整えるところまで、5分ほどで終わります。
- キャンバスを開き、3Dではないレイヤーを選ぶ(目安10秒):3Dレイヤーを選んだまま読み込むと、その3Dレイヤーに追加されます。自作キャラの3Dを別のレイヤーに分けたいときは、ふつうのレイヤーを選んでおきます。
- 「ファイル」メニュー→「読み込み」→「3Dデータ」を選ぶ(目安10秒):WindowsとmacOSなら、GLBをキャンバスへドラッグ&ドロップしてもかまいません。
- GLBを選んで開く(目安30秒):Figmeeから保存したGLBを選びます。
- 「3Dファイル読み込み」ダイアログで方式を選ぶ(目安30秒):「フォトリアル」は金属の光沢や周りの映り込みまで表し、「シンプル」は光沢や映り込みを付けずに読み込みます。読み込んだあとは切り替えられません。選び方は次の小見出しで説明します。
- 「オブジェクト」ツールで3Dを選び、位置と大きさを整える(目安3〜5分):3Dをクリックすると、上に移動マニピュレータ、下にオブジェクトランチャーが出ます。3Dそのものの移動・回転・拡大縮小は、ルートマニピュレーターで行います(出典: 公式マニュアル「3D素材を編集する」)。
- 色と凹凸を確かめる(目安1分):公式マニュアルでは、GLBの法線マップ(ノーマルマップ。凹凸を画像で表したもの)の表示に対応しています。色が付かないときは、下の「色が出ない・光りすぎるときは?」を見てください。
フォトリアルとシンプルはどちらを選ぶ?
自作キャラの形と色を下絵として見るなら、「シンプル」から試すのがおすすめです。ダイアログには「フォトリアル(推奨)」と出ますが、Figmeeで作ったGLBは、生成したままだと金属らしさの値が高めに入っています。そのため「フォトリアル」で読み込むと、縁が金属のように光ったり、周りが映り込んだりする場合があります(Figmeeのブラウザのビューアは、表示するときに金属らしさを0に直しています)。
| 方式 | 見え方 | 向いている使い方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| フォトリアル | 金属やプラスチックの光沢、周りの映り込みまで出る | 質感まで含めて光の当たり方を見たいとき | その3Dレイヤーの照明の方式が「リアル」に固定され、同じレイヤーのほかの3D素材も変えられなくなる |
| シンプル | Ver.4.1.4以前と同じ質感で、光沢や映り込みは出ない | 形・色・陰影の位置を下絵として見たいとき | 金属の質感を確かめる用途には向かない |
どちらも読み込んだあとに切り替えられないので、比べたいときは同じGLBを2回読み込み、別のレイヤーに置いて見比べます。使わない方は、レイヤーごと消します。
読み込んだ3Dを下絵にするには?
カメラを回して描きたい角度を決め、光の向きを決めたら、3Dレイヤーの不透明度を下げて、その上に作った新しいレイヤーに描きます。3Dは形を確かめる資料で、なぞれば絵になるものではないので、線は自分の絵柄で引き直します。
- 角度を決める:キャンバスをドラッグするとカメラが回ります。移動マニピュレータで、カメラの平行移動と前後移動にも切り替えられます。3Dを見失ったら、オブジェクトランチャーの「編集対象を注視」で画面の中心に戻せます(出典: 公式マニュアル「カメラアングルを決める」)。
- よく使う角度を残す:カメラを複製してロックすると、その角度を残せます。ロックしたカメラは削除できないので、正面・横・あおりなど、よく描く角度を残しておくと次の絵も同じ角度から始められます。
- 光の向きを決める:「レンダリング設定」の「3Dレイヤーの設定」で「照明」の「光源の影響を受ける」をオンにし、「ツールプロパティ」パレットの「光源」にあるボールをドラッグすると平行光の向きが変わります。影を落とすかどうかは3D素材ごとに切り替えられます(出典: 公式マニュアル「光源と陰影を設定する」)。
- パースをそろえる:公式マニュアルでは、3D素材を読み込んで3Dレイヤーができると、3D空間に合った3点透視のパース定規も作られる(最初は非表示)と説明されています。背景を描くときにこの定規を表示すると、キャラと背景のパースがそろいます。
- 下絵にして描く:3Dレイヤーの不透明度を下げ、上に新しいレイヤーを作って描きます。
自分のキャラの3Dが役に立つのは、髪の分け目や服の重なり、小物の向きが「その角度でどう見えるか」を確かめるときです。正面の絵から横や後ろを起こす作業は、三面図と3Dの使い方でも扱っています。
自作キャラの3Dにポーズは付けられる?
骨(ボーン)の入っていないGLBには、クリスタでポーズを付けられません。クリスタでポーズを付けられるのは3Dデッサン人形や3Dキャラクター素材(VRMを含む)で、FigmeeのGLBは動きのない形と色のデータです。変えられるのは、角度・位置・大きさ・光です。
| 比べること | 3Dデッサン人形 | 自作キャラのGLB(Figmee) |
|---|---|---|
| 見た目 | 体型を変えられる素体。髪や服は無い | 自分の絵の髪型・服・小物の形と色 |
| ポーズ | 関節を動かして付けられる。ポーズ素材も使える | 付けられない(作ったときの姿勢のまま) |
| カメラの角度・光 | 自由に変えられる | 自由に変えられる |
| 用意 | クリスタの素材に入っている | 描いた絵から作る(3Dモデルは5トークン。最初の1体は無料) |
| 向いている場面 | 体の動き・ポーズを決める | 自分のキャラの髪・服・小物の見え方を確かめる |
同じ3Dレイヤーには複数の3D素材を置けるので、ポーズは3Dデッサン人形で決め、髪や服の形は自作キャラの3Dで確かめる、と役割を分けられます。このとき自作キャラの3Dを「フォトリアル」で読み込むと、そのレイヤーの照明の方式が「リアル」に固定される点に気をつけます。FigmeeはVRMでは保存できないので、VRMとして読み込んでポーズを付ける使い方はできません。
3Dデッサン人形と自作キャラの3Dを、描くための資料としてどう使い分けるかは、デッサン人形の代わりに自分のキャラの3Dを使う方法で詳しく比べています。
別のポーズの自作キャラの3Dがほしいときは、Figmeeのキャラクターパスポートで見た目を保ったままポーズを変えた画像を作り、その画像からもう一度3Dモデルを作る方法があります。手順はAIで作ったキャラの同じ顔で別のポーズを作る方法にまとめています。
色が出ない・光りすぎるときは?
光りすぎるなら「シンプル」で読み込み直し、色が出ないなら色の画像(テクスチャ)の形式を疑います。どちらもGLBを直してから読み込み直す方法もあります。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 縁が金属のように光る・周りが映り込む | 「フォトリアル」で読み込んだ。FigmeeのGLBは金属らしさが高め | 「シンプル」で読み込み直す。質感も使いたいなら、Blenderで金属らしさを下げてGLBを書き出し直す |
| 色が付かず、白や灰色のまま | クリスタが読めない形式の色の画像が外された可能性 | BlenderでGLBを読み込み、書き出しの「Images」でPNGかJPEGを選んで書き出し直す |
| 暗い・陰影が付かない | 光源の設定がオフ | 「レンダリング設定」で「光源の影響を受ける」をオンにする |
| 大きすぎる・小さすぎる | 元のデータの大きさ | ルートマニピュレーターで拡大縮小する |
| 3Dレイヤーが作れない | DEBUTを使っている(公式マニュアルによると、DEBUTでは3Dレイヤーを作れない) | PROかEXで作業する |
| GLBを開けない | Ver.1.12.7より前の版(glTFの読み込みはVer.1.12.7から) | 版を新しくする |
クリスタは、読めない形式のテクスチャがあると、そのテクスチャを外して読み込みます(公式マニュアル)。2026年10月25日より前にFigmeeで作った3DモデルのGLBは、色の画像がWebP形式で入っているため、クリスタで色が付かない場合があります。それ以降のGLBは、色の画像がJPEG、凹凸の画像がPNGです。
Blenderの公式マニュアルによれば、glTFを書き出すときの「Images」で、画像の形式をPNG・JPEG・WebP・Noneから選べます(出典: Blender 5.2 LTS Manual「glTF 2.0」、2026年11月7日確認)。金属らしさを下げるときは、読み込んだマテリアル(Principled BSDF)のMetallicにつながっている線を外し、値を0にしてから書き出します。BlenderでのGLBの読み込み方はFigmeeのGLBをBlenderに読み込む手順で説明しています。
3D素材として保存して使い回すには?
PROかEXなら、読み込んだGLBを「3Dオブジェクト素材」として「素材」パレットに登録できます。登録しておくと、次からは「素材」パレットからキャンバスへドラッグするだけで、同じ置き方・大きさの自作キャラの3Dを呼び出せます。
- 置き方と大きさを整える(目安1〜2分):「オブジェクト」ツールで3Dを選び、向きと大きさを整えます。登録したときの状態が、呼び出したときの初めの状態になります。
- 登録のボタンを押す(目安10秒):オブジェクトランチャーの「3Dオブジェクトを素材登録」を押します。「ツール詳細」パレットの「オブジェクト」にある「素材登録」からも登録できます。
- 素材名と保存先を決める(目安1分):素材のプロパティのダイアログで、素材名と保存先を決めて「OK」を押します。キャラの名前と衣装の名前を入れておくと、あとで探しやすくなります。
登録した素材は、Ver.2.2未満のクリスタでは使えません。「フォトリアル」で読み込んで登録した素材は、Ver.4.2未満では使えません(出典: 公式マニュアル「3D素材操作時に便利な機能」、公式サポート「3Dファイルの読み込み方式について」)。複数の端末で使うときは、どの端末も新しい版にそろえておきます。
よくある質問
3MFはクリスタに読み込めますか?
公式マニュアルの読み込める形式の一覧に、3MFはありません。Figmeeの作品の画面では「3Dモデル(GLB)」と「3Dプリント用データ(3MF)」の両方を保存できるので、クリスタには「3Dモデル(GLB)」を使います。保存に追加のトークンはかかりません。
自作キャラの3Dに、3Dデッサン人形のようにポーズを付けられますか?
付けられません。FigmeeのGLBには骨(ボーン)が入っていないので、クリスタでは作ったときの姿勢のまま、角度・位置・大きさ・光だけを変えられます。ポーズは3Dデッサン人形で決め、髪や服の見え方は自作キャラの3Dで確かめる、という分け方が現実的です。
iPadやスマートフォンのクリスタでもGLBを読み込めますか?
公式マニュアルのOSごとの制限に、GLBは挙がっていません(詳しくは上の「クリスタはどの3D形式を読み込める?」)。ドラッグ&ドロップで読み込めるのはWindowsとmacOSなので、それ以外の端末ではメニューから読み込みます。Figmeeはスマートフォンのブラウザでも使えるので、3Dモデルを作ってGLBを保存するところまで同じ端末で進められます。
まとめ
クリスタには、「ファイル」メニュー→「読み込み」→「3Dデータ」でGLBを読み込めます。FigmeeのGLBは金属らしさが高めなので、下絵に使うなら「シンプル」から試し、色が出ないときは色の画像の形式を疑います。骨が無いのでポーズは付けられませんが、自分のキャラの髪・服・小物がその角度でどう見えるかを、カメラと光を動かしながら確かめられます。ポーズは3Dデッサン人形、見た目は自作キャラの3D、と分けて使い、よく使う置き方はPRO・EXなら3Dオブジェクト素材として登録しておくと、次の絵からすぐに呼び出せます。




