1枚の絵を3D化すると、絵に描かれていない背面は、AIが正面から読み取れる形と色に、大量のデータから学んだ形の知識を組み合わせて推定して作ります。測って作るのではなく推定なので、同じ絵をアップロードし直して作っても背面は変わりうるもので、自分の設定どおりの後ろ姿になるとは限りません。
Figmeeも、アップロードする絵は1枚で、複数の角度の絵を入れる仕組みはありません。この記事では、背面がどう作られるか、髪・服・小物で外れやすいところ、ブラウザで背面を確かめる手順、意図に近づける方法、三面図との関係、背面を見せたくないときの見せ方を説明します。顔のように描いてある側が変わる話はAIで3D化すると顔が別人になる理由と対策で扱っています。
※現在のFigmeeが提供しているのは、描いたイラストから作るフィギュア風画像、3Dモデルデータ(GLB / 3MF)、3Dモデルの回転動画です。実物の3Dプリント注文は準備中(Coming Soon)です。写真や、写真のように見える画像は3Dにできません。
1枚の絵から3Dにすると背面はどう作られる?
背面は、正面の絵から読み取れる輪郭・色・部品の位置と、AIが学んだ「この形のものの裏側はたいていこうなっている」という知識を組み合わせて推定されます。描かれていない部分を空白のまま残すのではなく推定で埋めるので、1枚の絵からでも一周回せる3Dになります。その代わり、埋めた部分が元のキャラの設定と一致する保証はありません。
1枚の画像から別の角度の見え方を作る研究Zero-1-to-3は、この問題を、画像だけでは答えが1つに決まらない「条件の足りない問題」とし、大規模な画像生成モデルが自然の画像から学んだ形の知識を使って補う方法を示しています(出典: Zero-1-to-3: Zero-shot One Image to 3D Object(arXiv)、2023年3月公開)。正面の絵にない情報は、AIにとっても「よくある形」から考えるしかない、ということです。
Figmeeでは、絵からまずフィギュア風画像(画面の表記は「3D画像」)を作り、その画像から3Dモデルを作ります。フィギュア風画像も1枚の画像なので、背面は3Dモデルを作るときに補われます。画像から立体を作る仕組みの全体は画像から3Dモデルを作るAIの仕組みで説明しています。
背面で起きやすいことは?
外れやすいのは、正面から見えない後ろ髪、服の背中側の模様や部品、背負った小物です。正面から輪郭が見えるもの(体の厚み、袖や裾の広がり)は、それらと比べると前と後ろがつながりやすいと考えられます。アニメ調のキャラの顔の絵を立体にする研究PAniC-3Dも、イラストのキャラは人の顔の写真と比べて、髪や小物の形がより複雑で多様なことを課題に挙げています(出典: PAniC-3D: Stylized Single-view 3D Reconstruction from Portraits of Anime Characters(arXiv・CVPR 2023)、2023年3月公開)。
| 正面の情報 | 背面で補われること | 外れやすさの目安 |
|---|---|---|
| 前髪と横の髪 | 後ろ髪の長さ、まとめ方、結び目の位置 | 高 |
| 肩や腰の横からはみ出す毛先 | 後ろ髪の長さとボリューム | 中 |
| 服の前側の色 | 背中側の色 | 中 |
| 背中にだけある模様・ロゴ・リボン・フード | 正面に情報が無いので、現れないか別の形になる | 高 |
| 背負った物(羽・リュック・マント・しっぽ) | 正面から見える部分の続きと、裏側の形 | 高 |
| 体の輪郭と肩幅 | 背中の厚みと丸み | 低 |
| 靴のつま先 | かかとと靴底 | 中 |
外れやすさは、正面の絵にどれだけ手がかりがあるかをもとにした目安で、測った数値ではありません。背中側の色は、正面の色を引き継いだ単色に近くなったり、正面の模様が回り込んだような柄になったりすることがあると考えられます。描かれていない面が推定になる理由は、イラストが3D化できないと言われる理由の「描かれていない面」でも説明しています。
背面を確かめる手順は?
Figmeeでは、できた3Dモデルをブラウザのビューアでドラッグして回し、背面を確かめます。左右だけでなく上下にも回せるので、真後ろ・見下ろし・見上げの角度で止め、拡大して細部まで見られます。
- 作品を開く(目安1分):画面上部のメニューの「ギャラリー」から「作品」を開き、3Dモデルを生成した作品を選びます。
- 真後ろに回して全体を見る(目安1分):ドラッグで半周回します。ビューアの右下のボタンで自動回転を始めると、手を離したまま一周を見られます。
- 3つの角度で止めて細部を見る(目安3分):斜め後ろ・真横・上から見下ろす角度で止め、マウスのホイールか2本指で拡大して、後ろ髪の長さ、結び目、服の背中、しっぽや羽の付け根を見ます。
- 明るさを変えて見る(目安1分):明るさのスライダーを動かすと、陰になった部分の色や形を確かめやすくなります。
- 設定と違うところを書き出す(目安3分):「後ろ髪は腰まで」「リボンは背中の中央」のように、違う点を言葉にします。次の節の直し方を選ぶ材料になります(真後ろの画像を残しておくなら「三面図を保存(4方向)」が使えます)。
背面を意図に近づけるには?
背面を意図に近づける方法は、正面の絵に背面の手がかりを描き込むことと、絵をアップロードし直して作り直すことの2つです。ただし入力は1枚なので、正面から見えないものを確実に伝える方法はありません。
- 正面から見える範囲に手がかりを出す:後ろ髪が長いなら肩や腰の横に毛先が見えるように、背中の大きなリボンや羽なら体の輪郭の外にはみ出す部分が見えるように描きます。
- やや斜め前の向きで描く:真正面より、体が少し斜めを向いた絵のほうが側面の情報が増えます。ただし顔が斜めになるほど顔の情報は減るので、顔を優先するなら正面寄りにします。
- 背中だけの模様には期待しすぎない:正面にまったく現れない模様やロゴは、背面に出てこないか、別の形になる前提で考えます。
- 作り直す:3Dモデルは1つの作品につき1体なので、作り直すときは絵をアップロードし直して新しい作品にし、フィギュア風画像(品質に応じて1〜3トークン)から3Dモデル(5トークン)まで進めます。推定なので結果は毎回変わり、作り直す意味はありますが、生成が完了した結果は、仕上がりが好みと違ってもトークンは戻りません。
背中の色だけが違うなら、月額プランの特典の塗り絵が使えます。作品の画面の「塗り絵をする」から3Dモデルに直接色を塗り、元の3Dモデルとは別のバージョンとして保存できます。形を足したり削ったりしたいときは、GLBをBlenderなどの3Dソフトに読み込んで編集します。手順はBlenderのリメッシュとテクスチャ編集の基本にまとめています。
三面図があれば背面は正確になる?
Figmeeに入れられる絵は1枚で、正面・横・後ろの絵を別々に入れる入口はありません。三面図をまとめた1枚を入れても、それぞれを正面・横・後ろの情報として読み分ける仕組みはありません。1枚に複数の姿が並んだ絵になるので、ひと塊になったり一部が省かれたりすることがあると考えられます。三面図は、できた3Dと設定を見比べる資料や、3Dソフトで直すときの下敷きとして使うのが向いています。
三面図は入力には使えませんが、逆に、できた3Dモデルから三面図の形の画像を保存することはできます。作品の画面で「三面図を保存(4方向)」を押すと、3Dモデルを正面・右側面・背面・左側面から遠近の歪みなく写した1枚のPNGを、トークンを使わずに保存できます。写っている背中や横はAIが補った形なので、自分で描いた設定の三面図と並べて、違うところを探す材料にしてください。また、元の絵が斜めを向いていると、横の2枚がきれいな真横にならないことがあります。
背面の設定を先に決めておくと、ビューアで見たときに「どこが違うか」をすぐ判断できます。三面図の描き方と、3Dと見比べる使い方はキャラクターの三面図の描き方にまとめています。
背面を見せたくないときは?
共有リンクのページでは、見る人が3Dモデルを自由に回せるので、背面も見えます。背面がまだ設定と違うときや見せたくないときは、ビューアで角度を選んで止めた画面を端末のスクリーンショットで保存し、その画像を使います。
| 見せ方 | 背面が見えるか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 共有リンク(作品を公開する) | 見える(見る人が回せる) | 立体の全体を見てほしいとき |
| 回転動画(約6秒で2回転) | 見える | SNSで立体の形を伝えたいとき |
| ビューアの画面を保存した画像 | 選んだ角度だけ | 背面を見せずに立体感を伝えたいとき |
| フィギュア風画像 | 正面の1枚だけ | 絵の雰囲気を伝えたいとき |
共有リンクのページには、3Dモデルと一緒に、アップロードした元のイラストも表示されるので、正面は自分の絵で、背面はAIが補った形だという関係が見る人にも伝わります。公開すると見られる範囲と公開のやめ方は3Dモデルをネットで公開する方法で説明しています。投稿で背面に触れるなら「後ろ側はAIが補った形です」と添えると、見る人に誤解を与えにくくなります。
よくある質問
後ろ姿の絵を別に描けば、背面に使えますか?
Figmeeには、正面と後ろ姿の2枚を組み合わせて1体の3Dにする機能はありません。後ろ姿の絵だけを入れた場合は、その絵が見えている側として扱われ、反対の顔の側が推定になると考えられます。後ろ姿の絵は、できた3Dと見比べる資料として使ってください。後ろ姿そのものの描き方はキャラクターの後ろ姿の描き方にまとめています。
作り直すと背面は毎回変わりますか?
変わることがあります。背面は推定なので、同じ絵をアップロードし直して作り直しても同じ結果になるとは限りません。作り直すたびにトークンを使い、生成が完了した結果は、仕上がりが好みと違ってもトークンは戻りません。
背面の一部だけを作り直せますか?
Figmeeの中で3Dモデルの形を変えたり、一部分だけを作り直したりすることはできません。色の違いなら月額プランの塗り絵で塗り直せます。形を直すときは、GLBをBlenderなどの3Dソフトに読み込んで編集します。
まとめ
1枚の絵を3D化すると、背面はAIが正面の情報と学んだ形の知識から推定して作ります。後ろ髪・背中だけの模様・背負った小物は外れやすく、体の輪郭のように正面から手がかりのある部分はつながりやすいと考えられます。できた3Dはビューアで真後ろ・斜め後ろ・見下ろしの角度で確かめ、違うところは正面の絵に手がかりを足して作り直すか、色は塗り直し、形は3Dソフトで直します。背面を見せたくないときは、共有リンクではなく、角度を選んだ画像を使います。
イラストから3Dにする全体の流れはイラストを3D化する方法の完全ガイドにまとめています。まずは後ろ髪の毛先や背中の小物が正面から少し見える1枚で、背面がどう補われるかを試してみてください。




